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全国建具展示会で最高賞 掛川の「佐次本木工」

受賞作品「和」の組子細工を説明する佐次本裕司さん、武司さん(右)=掛川市寺島の佐次本木工で

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 一般住宅や神社仏閣の建具を手掛ける掛川市寺島の「佐次本木工」が、業者らが自慢の逸品を出品する全国建具展示会で、最高位の内閣総理大臣賞に輝いた。くぎを使わず細かな木片で組み上げる「組子細工」の間仕切りに、桜の花びらや扇の模様を表現した。緻密な組子が織りなす柔らかなデザインが高評価を得た。

 手掛けたのは、代表の佐次本武司さん(69)と次男の裕司さん(39)。「和(やわらぎ)」をテーマとした四枚仕立ての間仕切り(縦二メートル、幅三・六メートル)には、「三組手(みつくで)」と呼ばれる組子の伝統技法で、一辺二・二センチの正三角形がびっしり詰まっている。上部には満開の桜の花を這(は)わせた枝を表現し、下部の腰柄に麻の葉や八重桜の花びらを組み込ませた。

 組子細工は、薄く切った木に小さな切れ込みを入れ、それぞれを組み合わせていく。手作業の八割近くを担った裕司さんが「使った木片は数え切れないが、十一万個を超える三組手を一年近くかけて仕上げた」と話すと、技能マイスターの資格を持つ武司さんは「もう仕事を任せられる」と安心した様子でほほ笑んだ。

 全国建具展示会は、さいたま市で八月三十、三十一両日に開かれ、各地から出品された五十七点を建築士や大学教授らが審査した。佐次本木工の間仕切りは、講評で「組子細工が最も細かく、間仕切り表面が下部に向かってグラデーションのように色を薄く仕上げた柔らかなデザインを生んだ」などと高く評価された。

 佐次本木工は、十年前に入賞を逃し、これまでの最高は昨年の四位だった。裕司さんは「父の背中を見ながら仕事に励んできた。目標だった大会で腕が認められてうれしい」と振り返った。武司さんは「建具職人は減っているが、受賞を励みに伝統技術を守っていきたい」と述べた。

(赤野嘉春)

 

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