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市民ラジオ 「光」が救う

◆浜松の企業 技術応用し新無線機

免許なしで使える市民ラジオ用無線機を紹介するサイエンテックスの吉沢優一技術部長。手前が「SR−01」、左奥が「JCBT−17A」=浜松市中区で

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 光計測器メーカーのサイエンテックス(浜松市浜北区)が、一九八〇年代に流行し、現在は消滅の危機にある「市民ラジオ」用の無線機を新たに開発し、販売を始めた。独自に培った技術を生かして異業種に参入し、規制が強化された電波法の課題を解消した。開発担当者は「復活を諦めていた愛好家に趣味を続けてほしい」と話している。

 市民ラジオは電波法で出力〇・五ワット以下と定められ、資格や免許がなくても開設できる。六〇年代に誕生し、八一年に累計二十八万台の登録を記録。八六〜二〇〇五年にはメーカー各社が少なくとも三十三万台を出荷した。会員制交流サイト(SNS)のように複数の人と交流でき、偶然の出会いが楽しめることから人気が広がった。

 しかし、〇五年の改正電波法施行による新基準の適用で規制が強化。電波ノイズが多い旧式機は二二年までしか使えなくなり、国内の全メーカーが順次、生産と修理の受け付けを終了した。自身も愛好者というサイエンテックスの吉沢優一技術部長(33)は一六年一月、「市民ラジオのコミュニティーを守りたい」と、会社の理解を得て新型機の開発を始めた。

 同社は素粒子ニュートリノの観測装置「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市)の試験用機器を手掛けるなど、純度の高い光を発射できる技術がある。この仕組みを応用してノイズの少ない電波を発射する試作機を完成し、一六年八月、製造販売に必要な認証を得た。「光と電波は似ているので、応用は簡単だった」と吉沢部長は振り返る。

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 サイエンテックスは市民ラジオ用無線機について、アマチュア無線の利用者とほぼ同じ四十万人の潜在需要があるとみている。

 操作性を重視した「SR−01」(十三万八千円)と、持ち運びやすい「JCBT−17A」(九万八千四百円)の二モデルを取り扱い、昨夏から今年十一月末までに四百台を販売。十一月一日からは、自社のオンラインショップで本格的に販売を始めた。受注生産で年二千台の販売を目指す。

(山田晃史、写真も)

 

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