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115年前のピアノ修復 12日、アクトで演奏会

グランドピアノを弾く冨田健さん=浜松市東区北島町の冨田ピアノで

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 ピアノの修理や販売を手掛ける冨田ピアノ(浜松市東区北島町)が、百十五年ほど前に米国で製造されたグランドピアノを修復した。社長の冨田健さん(54)は「古き良き時代を思い浮かべ、手作りのぬくもりを感じてもらえたら」と、十二日午後二時から市内のアクトシティ浜松音楽工房ホールで演奏会を開く。張りのある優しい音色が時を超えて響き渡る。

 米国の高級ピアノメーカー「スタインウェイ・アンド・サンズ」製で、愛知県内の個人が約十年前に入手した。側板や鍵盤のふたといった木材にウォールナット(クルミ)を使用。表面は年輪を生かした珍しい装飾で、高級感がある。

 冨田さんは、鍵盤下にある製造番号を頼りに、ピアノの製造番号や年代をまとめた米国の書籍を調べ、一九〇二年ごろにニューヨークで製造されたことが分かった。ピアノに添えられている紹介文には、米石油会社の創始者がピアニストの娘のために特注した一台で、米国内の博物館でも展示されたと記されている。日本に来た経緯は不明。

 愛知の所有者はこれまで個人的な演奏の機会で弾いていたが、一年ほど前に「貴重な名器を世に出したい」と修復を依頼した。

修復したグランドピアノの鍵盤下に記されている「101525」の製造番号=浜松市東区北島町の冨田ピアノで

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 ピアノは弦をたたいて音を出すハンマーの部品が摩耗するなど傷みが目立ったが、「オリジナルの味わいを残すことを第一に考えた」と冨田さん。弦やハンマーの一部を交換し、鋳物のフレームも塗装したが、特徴的な外観はそのままだ。

 演奏会に出演する市内のピアノ奏者森山雪子さん(50)は、スタインウェイを求めて米国旅行をした経験があるほど古いピアノのファン。今回のピアノに初めて触れた印象を「低い『トーン』という響きが海のように深く、中音域はバラエティー豊か」と表現する。当日は、ジャズの定番「A列車で行こう」やチャプリン映画「ライムライト」の主題曲などを披露する。

 冨田さんは「百年以上たってもピアノの構造は基本的には今と一緒だが、製造がまだ機械化されておらず、魅力がある。古い物が立派に再生できることが伝われば」とする。

 演奏会のチケットは前売り二千円(当日五百円増)。定員二百五十人。ピアノとほぼ同時期に製造された蓄音機でのレコード鑑賞もある。演奏会後の試弾は要相談。問い合わせは冨田ピアノ=電053(421)0547=へ。

(久下悠一郎)

 

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