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《経済》 能楽鑑賞にAR字幕 クレステック

◆聴覚障害者が実証実験

眼鏡型端末をかけて、能の舞台を鑑賞する来場者ら=東京都渋谷区の国立能楽堂で

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 製品の取扱説明書などを制作するクレステック(浜松市東区)が、伝統芸能の能楽を鑑賞する聴覚障害者が物語を深く理解して楽しめるように、眼鏡型端末を使って目の前にせりふの字幕を映し出すサービスの開発を進めている。今月上旬に行った実証実験で寄せられた感想を基に改良を加え、実用化を目指す。

 現実の風景にコンピューターで処理した文字や映像を合成するAR(拡張現実)技術を応用したサービスで、レンズに備えたモニターに役者らが話すせりふ(詞章)を映し出し、字幕付きの映画を見るように能舞台を楽しめる。

 実証実験は聴覚障害のある八人に協力してもらい、今月七日、東京の国立能楽堂であった公益財団法人鎌倉能舞台(神奈川県鎌倉市)の公演で行った。参加者はセイコーエプソン(長野県諏訪市)製のスマートグラスをかけ、演目「土蜘蛛(ぐも)」などを鑑賞。舞台裏でスタッフがタブレット型の端末を操作し、それぞれの役者が話すタイミングに合わせて字幕の情報をスマートグラスに配信した。

 上演後にアンケートし、「字幕の表示に加え、せりふの抑揚や間が視覚で分かるように工夫してほしい」などの意見が寄せられた。

 クレステックは主に自動車関連や楽器などのメーカー向けに、製品の取扱説明書を制作するサービスを手掛けている。スマートグラスを使って目の前に映像や文字を映し出す体験型コンテンツ配信サービス「PORECT(ポレクト)」も開発し、観光施設やスタジアム、工場などの見学ツアーでの活用を想定し、企業や自治体向けに九月から販売を始めている。

 能舞台の字幕サービスも利用者の感想を踏まえて改良しながら、ポレクトのコンテンツの一つとして実用化を目指す。

 高林彰社長は「開発が順調に進めば、能を鑑賞する外国人観光客向けの英語版のサービスなども展開したい」と話す。

(西山輝一)

 

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