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激しい舌戦、感情論も 河津町長リコール

◆きょう投開票

 河津町が計画する子育てや文化活動の複合施設を巡り、相馬宏行町長(57)の解職請求(リコール)に伴う住民投票は八日、投開票される。九月十八日の告示以降、解職賛成派、反対派は町内で激しい舌戦を展開してきた。町を二分する対立は感情論も加わり、エスカレート。住民投票後のしこりを懸念する声も上がる。

◆町の分裂 嘆く声

街頭演説で解職への反対を呼び掛ける相馬宏行町長=河津町で

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 相馬町長は今月三日から公務を休み、一日十〜十五回、街頭演説に立った。「投票日まで、やれることはやりたい」と話し、七日まで住民投票活動に専念した。「事業を実施することで税金が上がることは一切ありません。引き続き、町政を担わせてほしい」。訴える顔は険しい。

 町議会(定数一一)で複合施設に賛成する六人のうち五人が演説に同行、後援組織や地縁血縁を頼りに票の掘り起こしを図った。町長は「告示から体重が三キロ落ちた。町民の良識を信じたい」。

 町長陣営が警戒するのは町民に浸透する増税説だ。リコール請求に署名した女性(81)は「施設ができると税金が上がる、と反対派から聞いた」と話す。告示後は誤解を招く表現は減ったが、町長派の宮崎啓次町議は「悪いうわさは印象に残る。いまだに信じている町民も少なくない」と嘆く。

街頭演説でリコールへの賛成投票を呼び掛ける稲葉誠次さん=河津町で

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 解職を求める住民グループも街頭活動を活発化。稲葉誠次代表は九月三十日から一日四カ所ほどで街頭演説を続ける。「町長に辞めてもらわないと事業は止まらない」。町長が街頭演説に専念し始めた三日からは、前町長時代の幹部職員OBも演説に加わり、町長批判のボルテージを上げた。

 陣営はリコール請求の署名者二千八百六十五人だけでなく、移住者や若い世代にも浸透を目指す。解職賛成派の町議五人も別行動で一日数カ所で演説を展開。稲葉代表は「署名と投票は別。最後まで全力を尽くしたい」と気を引き締める。

 対立は町全体に広がった。町長派町議は、反町長派の新人町議二人を敵視し、「リコール運動を起こした張本人。一度は複合施設の基本設計費に賛成したのに、芯がない」と批判。新人町議も「町長派は議会で質問もしないイエスマンばかりで、町が発展しない」と反論する。

 町の補助金を受ける町観光協会幹部がリコール運動に加わったことも波紋を広げる。幹部は「観光業に理解がない町長は辞めてもらうしかない」。施設とは関係ない不満も、解職の是非の判断材料となっている。

 分裂を避けるため、リコール運動の中止を呼び掛けていたガソリンスタンド経営の野田実さん(67)は最近、変化を感じる。解職賛成派の常連客が来店しなくなったり、あいさつをしても素っ気ない態度を取るようになった。野田さんは「町がガタガタになってしまう。小さな町で憎み合っても仕方ないのに」と嘆いた。

(中谷秀樹)

 

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