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元力士の平川さん 大鉄・奥泉駅の駅員に

乗客を見送る駅員の平川辰巳さん=川根本町奥泉の大井川鉄道井川線奥泉駅で

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 相撲取りから鉄道員へ−。大相撲秋場所の熱戦が繰り広げられる中、大井川鉄道(大鉄)井川線奥泉駅(川根本町奥泉)で、異色の経歴を持つ駅員が日々、乗客を出迎えている。三月に大鉄に入社した平川辰巳さん(27)。「相撲も駅員も、人との触れ合いが大切なのは同じ」と、再出発したばかりの新たな人生にやりがいを感じている。

 平川さんは名古屋市南区出身。毎年七月に開催される大相撲名古屋場所の宿舎が近所にあり、小さいころから稽古を身近に見て育った。角界に身を投じたのは、高校になじめず中退し「何もすることがなかった」という十七歳のころ。茨城県龍ケ崎市に本拠を置く式秀部屋の稽古を見学した際にスカウトされ、入門した。

 身長一六八センチ、体重は最大で八五キロ。普段の稽古も、体重を増やすことも厳しい日々だったが、小兵ながらに自分より大きい相手に立ち向かって勝ち、ファンから「よくやった」と喜ばれるのが励みだった。「人生のいい修業をさせてもらった」。ただ、現役生活九年間で序二段止まり。限界を感じて昨年夏に引退を決意した。

 そのころ部屋の後援者の縁で紹介されたのが、大井川鉄道。もともと鉄道は、相撲と並んで好きだった。地元の名鉄は全線乗車し、力士時代も時間を見つけては、地方の鉄道に足を運んだ。第二の人生の選択として迷いはなかった。

 大鉄井川線は、県北部の急な山間の渓谷を走る観光鉄道で、乗客はほとんどが観光目的。寸又峡温泉などの地域の魅力を紹介することが駅員の役割だ。

 入社して半年。ファンの声援に応える力士時代と、現在の鉄道業務を重ねながら、人と触れ合う基本は変わらないと感じる。「乗車して楽しかったという反応がやりがいになっている」。将来は、車掌や運転士といった役割も担いたいという平川さん。新たな目標に向かって走り続ける毎日だ。

(古池康司)

 

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