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水上バイク 県条例規制外 湖上の安全 対策苦慮

◆浜名湖「積極的に取り締まれず」

巡視船から水上バイク利用者に注意を呼びかける浜名湖総合環境財団の職員=いずれも浜名湖で

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 毎年夏から秋にかけて、レジャー客でにぎわう浜名湖。だが湖上レジャーを規制する静岡県の条例では水上バイクは対象外で、関係者から「いつ大きな事故が起こってもおかしくない」と懸念の声が上がる。新たな規制導入の機運が高まらない中、県警などが対応を模索している。

 八月十三日午後四時ごろ、湖西市の新居弁天海水浴場で少年の水上バイクが桟橋に衝突。同乗の四十代男性が頭を打つ軽傷を負う事故があった。

 「当時は、多くの遊泳客がいた。もしその中に突っ込んでいたら…」

 男性を救助したNPO法人浜松ライフセービングクラブ(浜松市西区)理事長古橋理(とおる)さん(54)は振り返る。この海水浴場はボートで遊ぶことが認められていないエリア。少年が免許を持っていたかどうかは不明。男性はろれつが回らないほど酒を飲んでいたとみられるが、古橋さんは「飲酒して、こういうところで水上バイクに乗る人はたくさんいる」と指摘する。

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 県河川管理条例などは、浜名湖の北側で岸辺から二百メートル以上離れたエリアを、ボートなどで遊べる「遊走区域」に指定。「漁業に支障を与えてはならない」などとして、違反者には最高三万円の罰金を科す。だが対象は「二〇トン未満の円ハンドルで操作する船舶」で水上バイクは含まれない。二〇〇四年には、県などが日没から午前八時までの遊走などを禁じる自主規制を定めたが、罰則は無い。

 琵琶湖を擁する滋賀県や富士五湖のある山梨県をはじめ、北海道、福島県などは、水上バイクを規制する条例があり、負傷者の救護義務などを定め、罰則もある。滋賀、山梨両県警はほぼ毎日、警備艇などで巡回し、違反者を摘発しており、両県警担当者は「条例のおかげで積極的に操縦者に話を聞ける」と話す。

 浜名湖では管轄する浜松中央、湖西、細江署と浜名湖総合環境財団が、巡視船や水上バイクで巡回する。財団の徳田晴紀常務理事(64)は「条例に罰則が無く、積極的に取り締まれないのが現状。何もできないのは歯がゆい」と話す。

(鈴木凜平、片山さゆみ)

◆誤操作やマナー無視で大事故も

訓練で、危険運転者役の水上バイク(手前)を「まがも」で追いかける警察官ら

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 運びやすく小回りが利き、レジャーとして親しまれる水上バイク。水の抵抗力を使って停止するためブレーキがない代わりに、自転車のブレーキレバーと同じ位置にアクセルがあることから、誤操作やマナーの悪さが死亡事故を招くことも。警察やパトロール団体は啓発に力を入れる。

 岐阜県羽島市の木曽川で昨年六月、無免許の女性の水上バイクがゴムボートに衝突し、四人を死傷させた事故では、急加速に驚いて減速させようとした女性が誤ってアクセルのレバーを引き、時速約七十キロで暴走させたことが惨事につながった。

 こうした事故を受けて細江署は先月中旬、救助活動に協力している県三ケ日青年の家(浜松市北区三ケ日町)などと合同で、初の水上バイク取り締まり訓練を実施。署の水上バイク「まがも」を使い、危険行為への警告や撮影、無線連絡などの訓練をした。

 メーカーや販売店でつくるNPO法人PW安全協会(磐田市)は先月上旬、浜松市北区三ケ日町で運転者にチラシを配って講習会を開き、「カヌーの近くでは徐行する」「操船可能な水域を守る」などのマナーについて呼び掛けた。

 青年の家の城田守所長(63)は「メーカーなどと連携し、粘り強く啓発していくことが必要だ」と強調。PW安全協会中部地方本部事務局(愛知県蒲郡市)の野崎正人事務局長は「水上バイクは楽しい乗り物だが、一部のマナーを守らない人たちのせいで規制が進むのは困る」と懸念。「地域によってルールや遊走できる区域が違うので、事前に協会や近くの販売店などで注意やルールを聞いてから、楽しんでほしい」と話している。

 

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