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梯郁太郎さん 11日お別れの会

◆電子楽器の父 さよなら

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 四月一日に八十七歳で死去した電子楽器メーカー「ローランド」(浜松市北区)の創業者、梯郁太郎(かけはしいくたろう)さんのお別れの会が十一日午後一時から、浜松市中区のホテルクラウンパレス浜松で営まれる。大阪でローランドを創業しながら、楽器メーカーが集積する浜松に本社を移し、数々の独創的かつ安価な楽器を世に送り出した。好きな楽器づくりに生涯をささげた「電子楽器の父」に、親交のあった技術者と音楽家が惜別の言葉を寄せた。

 「『新しいものをつくろう』が口癖だった」。梯さんが八十三歳で設立した新会社へローランドから移ったATV社長の室井誠さんは、振り返る。実は梯さんは楽器があまり演奏できなかった。「演奏する人をリスペクトし、意見に耳を傾けた。同時に専門家でないアマチュアや一般の人でも弾ける製品をつくろうとしていた」。新製品づくりは、次から次へアイデアを思いつく梯さんとのやりとりが日課だった。「周りは本当にできるのかと思うが『これは駄目だが、こっちで生かしたらどうや』といろいろとアイデアを振ってくる。とにかくあきらめない」。だんだんとイメージが絞られ、理想的な楽器に結実していった。

 多くのヒット曲で知られる「ゴダイゴ」のドラマー、トミー・スナイダーさんは、梯さんの訃報をいち早くフェイスブックに掲載した。「初めて会ったのは一九七七年、二十四歳のころ。以来四十年近くかわいがってもらった。僕には『日本の父親』だった」と話す。「アーティストの才能も引きだしてくれる名人でもあった。ユーモアがあって素晴らしく才能に恵まれていた。彼の音楽と楽器への貢献は世界中の何百万人もの人々を感動させた」と日本語で語った。

 「ゴダイゴの音は梯さんとともにあったと言ってもいい」。キーボードを担当したミッキー吉野さんは断言する。「若いころからローランドのキーボードを愛用してきた。一九八三年ごろ、米国ラスベガスで会議をしていた時に、電子楽器をつなげる世界共通規格『MIDI(ミディ)』の配列について相談する国際電話を突然もらった。驚いたとともに『信頼してもらってるな』という思いになった」と話した。

(中沢幸彦、瀬戸勝之)

 <故梯(かけはし)郁太郎氏(ローランド創業者、ATV会長、4月1日死去)のお別れの会> 11日午後1時から浜松市中区板屋町110の17、ホテルクラウンパレス浜松で。主催はATVと梯家、かけはし芸術文化振興財団。実行委員長は室井誠(むろい・まこと)ATV社長。喪主は次男郁夫(いくお)氏。

 

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