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ドローンで物資運搬の実証実験 浜松市

◆災害時孤立の中山間地手助け

 浜松市は、小型無人機ドローンを、住民に生活用品を届けるために活用する実証実験を進めている。想定するのは、ドローンを飛ばす規制の少ない天竜区などの中山間地。市街地より高齢化率が高く、土砂災害でしばしば道路が寸断される地域のため、空からの物品運搬にかかる期待は大きい。

 首相官邸への落下事件などを踏まえ、国は一五年に航空法を改正し、市街地でのドローンの飛行を大幅に制限した。しかし、浜松市にとっては市域の特性を生かす好機ともなった。市域の半分以上を占める中山間地には、閉校跡地や遊休地といった実証実験をできるスペースが潤沢にあるためだ。

 市はこれまで、地滑り現場での測量や落石現場の状況調査にドローンを使い、主に災害対応での活用を探ってきた。昨年十二月には新たな可能性を見つけようと、物品運搬の実証実験に着手。土砂崩れで道路も電気も途絶えた孤立集落に物資を届ける想定で、手紙と無線機をかごに入れて、高さ九十メートルの崖上まで運んだ。

 高齢化の進む天竜区は昨年十月時点で、人口に占める六十五歳以上の割合が42・18%。高齢者のみの世帯や一人暮らしの高齢者は増加の一途をたどる。今年一月からの三カ月間で、自然災害による道路の全面通行止めは少なくとも三回あった。わずか数十メートルの土砂崩れでも、一、二時間の迂回(うかい)を強いられるケースも多い。

 こうした地域の生活を手助けしようと、市は非常時にドローンで、食品や無線機といった緊急時に役立つ物資を運ぼうと、一七年度は実験を本格化させる。

 運搬ルートは川沿いを想定。障害物がなく、万が一ドローンが落下しても、人に危害を与える可能性が低いためだ。

 市のドローン施策の担当者は「天竜川の上空をドローンの航路にできたら」と未来像を描く。

◆幅広い分野で活用探る

 浜松市は中山間地に限らず、各課からドローン活用の幅広いアイデアを募る。手始めに職員向けの操縦スクールを開講するため、パソコンを使って操縦を体験する飛行シミュレーターを購入した。希望する職員は、市独自のカリキュラムを受けられる。

 国家戦略特区の指定を受けた千葉市では、薬局から特区内の高層マンションに、医薬品の配達を計画している。浜松市はこうした他都市の先進事例も参考にしたい考えだ。

 鈴木康友市長は三月二十七日の会見で、静岡市の二倍以上ある道路や橋などのインフラ設備点検に加え、「空撮動画をSNSで発信するなど、いずれは観光にも役立てたい」と展望を話した。

(古檜山祥伍)

 

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