トップ > 静岡 > 1月11日の記事一覧 > 記事

ここから本文

静岡

浜松の放課後児童会 8割で源泉徴収せず

◆「補助方式」職員待遇に差

写真

 浜松市の放課後児童会の約八割で、スタッフに支払う報酬の源泉徴収がされていないとして、浜松西税務署が児童会を所管する市教委に、徴収するよう指導していたことが分かった。働くスタッフには雇用契約が結ばれておらず、労災保険に加入していないなどの待遇面の問題点も以前から指摘されており、あらためて運営のあり方が問われそうだ。

 徴収漏れを指導されたのは、謝礼として報酬を支払う「補助方式」で運営されている旧浜松市、旧雄踏町、旧舞阪町の九十六の児童会。所得税法は、雇用主に従業員らの源泉徴収を義務付けているが、これら地域の児童会では、二〇〇五年の合併前から源泉徴収をしていなかったとみられる。

 同市の放課後児童会は、最も数が多い旧浜松市では一九六七(昭和四十二)年に始まった。小学校の空き教室や協働センターで両親が共働きの児童らを受け入れ、放課後の見守り役を担う。市教委によると現在、市全体で百二十三あり、約五千人の児童が利用している。

 運営方式は、補助方式と委託方式が混在している。税務署の指導を受けた補助方式は、自治会長やPTA会長ら各地域の「放課後児童会育成会」が運営する。旧浜北市や旧天竜市などその他の地域の二十七児童会で採用されている委託方式は、NPO法人や社会福祉協議会に、市が運営を委託。源泉徴収は委託先が行っている。

 両方式は、責任の所在に大きな違いがある。委託の責任者は市になるが、補助では運営元の各育成会となる。自治会長などのメンバー構成からうかがえるように、育成会は「有償ボランティア」的な色合いが強い。委託の支援員や補助員が加入している労災保険は、補助では加入しておらず、けがをしても十分な補償を受けられない可能性がある。

 市教委は「源泉徴収はしていなかったが、支払証明書を発行し、職員に確定申告をしてもらうことで納税に対応してきた」と説明。税務署からの指導を受け、昨年十二月上旬に各育成会に、適切に源泉徴収するよう求めたという。

 放課後児童会に詳しい、NPO法人浜松ネットワークセンターの井ノ上美津恵代表理事は「育成会に源泉徴収まで求めるのは現実的ではない」と指摘する。児童会は公的な施設で運営され、児童の世話をする責任の大きさから「同じ市内のスタッフの待遇に格差があるのは問題だ」と強調。「一律に委託方式にするか、保険や運営を行政が支える体制を整えるべきだ」と訴える。

 市教委は待遇改善を検討していると説明する一方、「予算上の制約や委託先をどこにするかなどの問題がある」と話している。

(古檜山祥伍)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索