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苦渋のデザイン変更「次郎法師」に 日本郵便

◆「直虎は男」新説 じわり

オリジナルフレーム切手をPRする野寺碩局長=浜松市中区で

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 来年のNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」の主人公・井伊直虎が男性だったとする新説を受け、日本郵便は来年から販売するオリジナルフレーム切手の題材を「直虎」から「次郎法師」に変更した。切手を企画した担当者が協力を受けた井伊家菩提寺(ぼだいじ)の龍潭寺(りょうたんじ)(浜松市北区)と、井伊美術館(京都市東山区)双方の顔を立てようとした結果だが、直虎が女性だったという説を支持する浜松市には、ふに落ちない思いもあるようだ。

 通説では、井伊谷(いいのや)城主、井伊直盛の娘が「直虎」を名乗る前の名が「次郎法師」だといわれている。切手シートには、龍潭寺の山門の風景と、井伊美術館所蔵の朱色の具足の写真が使われているが、題名は「次郎法師とその後の井伊の赤備え」と、直虎の二文字はない。

 切手を企画した浜松蜆塚郵便局の野寺碩(ひろし)局長は、直虎を起爆剤に地域をPRしようと、今年春ごろから寺と美術館の双方を説得し、販売にこぎつけた。

 だが十一月、美術館から直虎を名乗ったのは、別の男性という新説の報告を受けた。寺は新説を認めていないが、美術館の言い分も無視するわけにはいかない。双方の意見に相違がない「次郎法師という女城主が存在した」という点を捉え、直虎を次郎法師に書き換え、落としどころにした。デザインの変更を急ぎ、切手が完成したのは十二月に入ってからだった。

 野寺さんは「直虎と書いた方が売れるだろうが、史実に基づいた切手を作りたかった。寺、美術館双方が納得できる形になったと思う」と題材の変更は最善策だったと話す。

 一方、浜松市は郵便局を、一丸となって直虎をPRする「同志」と見ていただけに、思いは複雑だ。郵便局は直虎をモチーフにした市の女の子のイメージキャラクター「出世法師直虎ちゃん」の年賀状を販売しており、市の担当者は「直虎で一緒に地域を盛り上げようとやってきたこれまでの姿勢と、少し違うのではないか」とチクリと指摘する。

 とはいえ、市は「次郎法師」が地域ゆかりの偉人であるのは変わらないとも考える。担当者は「切手を通し、全国の人に関心を高めてほしい」と期待する。

 切手は来年一月六日から浜松、湖西両市内の全百十三郵便局で販売される。一シートが八十二円切手十枚で千三百円、限定二千部。

(小沢慧一、写真も)

 

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