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豚コレラ、近江八幡で陽性 県が692頭殺処分

豚コレラの検査で豚から陽性反応が出た養豚場に殺処分のため集まった職員ら=近江八幡市で

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 愛知県豊田市の養豚場で豚コレラ感染の陽性反応が確認された問題で、県は六日、この養豚場から先月三十一日、近江八幡市の養豚場に子豚六十頭が出荷されており、六日朝に子豚への検査で陽性反応を確認したと発表。県は同日朝に対策本部を設置し、防疫措置や情報収集に追われた。同日昼ごろから殺処分を始め、同養豚場で飼育する全六百九十二頭を七日朝までに殺処分する。

 県畜産課によると、五日に愛知県から豚コレラ感染を確認したと連絡を受け、同日夜に県家畜保健衛生所がこの養豚場の豚の検査を開始した。六十頭のうち三頭は五日までに死亡しており、五十七頭から血液を採取。十二検体に分けて検査をすると、六日午前四時半ごろ、全ての検体から陽性反応が出た。

 この養豚場では、豊田市の養豚場から毎週六十頭ずつ子豚を仕入れ、約五カ月間飼育した後、大阪市中央卸売市場南港市場に毎週六十頭ずつ出荷していた。

 県は六日の午前と午後に二回、県庁で対策本部会議を開き、養豚場の状況や防疫対応を確認。養豚場では午前十一時五十分に殺処分を開始し、午後七時までに二百五十頭の処分を終えた。夜を徹して作業を行い、七日午前九時ごろまでに処分を終える予定。処分した豚は日野町の県畜産技術振興センターへダンプカーで搬送し、同日午後八時までに敷地内の草地に埋却する。作業には、県職員計三百六十人が当たっている。

 会議で、三日月大造知事は「豚コレラは豚、イノシシの病気であり、人に感染することはない。豚肉を食べても人体に影響はない」と呼び掛けた。また、感染が隣接府県に広がっているとし「隣県から応援をもらえない状況だ。二十四時間以内の殺処分、その後の埋却も含め、県内で力を合わせてやっていくことになる。今夜が勝負になる」と気を引き締めた。

 養豚などの関係者からは、不安の声が上がった。県によると、県内では昨年九月時点で、養豚農家五戸が計四千五百七十一頭を飼育。多くは名古屋や大阪の食肉センターに出荷しているという。関係者は「昨秋に岐阜で感染が確認されてから、業界ではいずれ(滋賀にも)来ると言っていた」と明かし「滋賀で感染が確認されたというだけで、大型スーパーでは豚肉が売れなくなるのではないか」と心配した。

 副業で養豚も手掛ける、県内の畜産業の男性(76)は「人体に影響しないと言っても、風評被害があるんじゃないか」と不安を口にした。

 昨年九月に台風で豚舎が壊れて養豚を中断していたが、豚舎を再建し、今月中にも静岡県から子豚を百頭仕入れて、飼育を再開しようとしていた矢先だったという。男性は「静岡では確認されていないが、今はどこに感染するか分からない。国が終息宣言を出して、完全に大丈夫やと言わない限り、怖くて仕入れられない。一日も早く事態が収束してほしい」と願った。

 (作山哲平、森田真奈子、浅井弘美)

◆白い防護服、物々しく

 近江八幡市の養豚場では、六日午前九時ごろから養豚場に通じる周辺の道路六カ所が封鎖され、関係者以外の立ち入りが厳しく規制された。同十時十五分すぎに白い防護服を着た約三十人の職員が場内に入った。白いテントが張られ、遠目から中の様子は確認できないが、関係車両が頻繁に出入りするなど、物々しい雰囲気に包まれた。

 養豚場周辺は田畑に囲まれており、人家はない。近隣住民の生活に支障は出ていないが、時折通る車両のドライバーが、交通規制をする職員に「何かあったのですか」と尋ね、興味深そうに見ていた。

 付近に住む岡田良博さん(72)は「いつも静かなところなのに、こんな大がかりになるとは。子どもたちの通学路でもあるし、人にはうつらないとはいえ、心配」と懸念。近くの養鶏場に配達に来た女性は「えらいことになって、何事かと思った。どこも通行止めで、配達に行けなくて困った」と話した。

 (平井剛、芳賀美幸)

 

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