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厄介な水草、有機堆肥に 長浜の明豊建設が開発

開発された琵琶湖の水草を活用した堆肥と白石さん=県庁で

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 琵琶湖の“厄介者”となっている水草を短期間で有機堆肥化する技術の開発に、長浜市の建設会社「明豊建設」が成功した。異業種での快挙で、一人の社員が水草の繁茂の問題に関心を持ったことをきっかけに、試行錯誤を続けて五年。完成した商品を「湖(こ)の恵(めぐみ)」と名付け、観葉植物用の堆肥として、首都圏を中心に三月から本格的に販売を始める。

 開発した堆肥は無臭の粉末状で、屋内で育てる観葉植物用に適している。有機JASの認定も受け、有機栽培農家も活用できる。製造法は、外来植物を含む水草に土壌菌と原木チップを添加。重機で積み上げて二カ月間、黒いシートで覆い、強制的に微生物発酵させる。六〇〜七〇度の高温を保って発酵するため、悪臭や病気のもとになる有害な雑菌や、雑草の種子を取り除けるという。

 開発に乗り出したのは五年ほど前。同社企画営業部長の白石昌之さん(49)が、琵琶湖での水草の大量繁茂問題を新聞で知り、関心を持ったことがきっかけだった。大量に茂った水草が漁船に絡まったり、ヘドロ状に腐って悪臭を放ったりするなどの問題に「地元企業として何かできないか」と考えた。

 社内で提案すると「県の困り事なら、一度チャレンジしてみよう」と快諾された。堆肥化技術にたけた香川県の会社「キョーワソリューション」の技術協力と、県からの無償での試料提供を受け、二〇一四年から開発に着手。一六年度には県の支援事業にも採択され、補助金を受けながら研究を重ねてきた。

 県は〇五年から水草の堆肥化に取り組んでいたが、堆肥になるまで二年かかり、時間の短縮が課題だった。白石さんは、水草を積み上げて強制的に微生物発酵させる手法で、二カ月間に短縮。完成した堆肥を、オリーブ栽培に取り組む企業に利用してもらい、炭疽(たんそ)病などにかかったオリーブの木が元気を取り戻すなど、効果が確認できたという。

 堆肥を入れるパッケージは、コーヒー豆の袋のようなしゃれたデザイン。二月から東京で開かれる「世界らん展二〇一九」や、東京・日本橋の県情報発信拠点「ここ滋賀」で試験販売する。三月からは首都圏の百貨店で販売。六月ごろからは、東海、関西地方の百貨店でも販売する予定だ。

 白石さんは「『湖の恵』を通して、県内外の人に琵琶湖の環境保全に目を向けてもらい、新たなビジネスモデルに貢献できればうれしい」と期待している。

 プランター・家庭菜園用の小袋タイプ(三百五十グラム)は税抜き八百円、大規模農園用(五百キロ)は税抜き三万五千円。詳細はHP(「湖の恵」で検索)で紹介している。

 (浅井弘美)

 

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