トップ > 滋賀 > 1月20日の記事一覧 > 記事

ここから本文

滋賀

J入りへ設備と集客が鍵 JFL「MIOびわこ滋賀」

ボールを使った練習をするMIOびわこ滋賀の選手たち=草津市西大路町のJフリーパークで

写真

 県内を拠点とする日本フットボールリーグ(JFL)所属「MIOびわこ滋賀」が、2019年シーズンに向けて練習を始めた。昨年はJFLで過去最高の16チーム中7位。Jリーグクラブが存在しない「J空白県」の一つの滋賀で、昇格の見込みがある有力クラブとして期待されている一方、Jリーグ入りには設備面をはじめ、数々のハードルが立ちはだかる。夢をかなえるには、地域からの多くの協力が必要となる。

 クラブが練習場としている草津市の「J−フリーパーク」に十七日、二十一人の選手が集まった。中口雅史監督は「昨年は目標としていたJFL八位以内を達成できた。今年はそれ以上を目指したい」と声を掛け、選手たちがパス練習などで軽めの調整をした。

 JFL十一年目の昨年は十三勝十敗七分けの成績。序盤は約半数を占めた新加入選手との連携に苦しんだが、後半は八勝四敗三分けと立て直し、勝ち越した。FW坂本一輝選手が15得点と活躍した。

 びわこ滋賀は〇六年に設立。東近江市と甲賀市の競技場をホーム競技場としており、一三年からは草津、東近江両市をホームタウンにして、Jリーグ入りを目標に掲げている。

 Jリーグは、J1〜J3の三階級がある。まずJ3入りをするためには、日本サッカー協会(JFA)が認める「百年構想クラブ」となり、次にクラブの経営や施設面で審査を受けて「J3ライセンス」を取得した上で、最終的にJFLで四位以内の成績を収めることなどが必要となる。

 びわこ滋賀は現在、「百年構想クラブ」の申請を目指している段階。今後、大きなハードルとなりそうなのは競技場の問題だ。現在、メインの本拠地である東近江市の布引運動公園陸上競技場は、J3の基準と比較して、座席数のほか、夜間用照明やドーピング検査室などが不足している。

 座席や照明設備の増設について、競技場を所管する東近江市スポーツ課の担当者は「億単位の予算が必要となる。現在は対応を模索している」と話す。

 集客力も課題だ。J3の基準では、ホーム試合で平均二千人以上の動員力が必要だ。だが昨年、東近江、甲賀市であったホーム戦十五試合の実績は、平均約五百十人にとどまった。千人越えは、岡田武史・元日本代表監督がオーナーを務める「FC今治」(愛媛)を迎えた試合などの二試合のみ。人気拡大に向けたPRが今後の課題だ。

 Jリーグには一七年から、インターネットで中継を視聴できる動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」が参入。J3も全試合が国内外に配信されており、J入りの競争は過熱している。

 開幕戦は三月十七日。今年からJFLに参戦し、JFLで初の女性監督を登用した鈴鹿アンリミテッドFC(三重)を、びわこ滋賀のホーム会場に迎える。就任四シーズン目となる中口監督は「ファンの方のために、少しでも良いパフォーマンスを見せたい。温かい声援をお願いします」と話している。

◆滋賀からもいつか

 大阪市出身で、幼少時から大阪府のJ1クラブを(時に、大阪弁で)応援してきた記者。昨年十月に大津支局に赴任。滋賀が「J空白県」の一つだと気づき、取材を申し込んだ。

 選手がピッチ上でゴールを目指せば、いつかJ1の舞台に行ける。そうした夢を阻んでいるのが、スタジアム設備などの問題だ。いずれも、びわこ滋賀が自力では解決できない課題で、行政や企業、市民の協力が重要になる。

 全国サッカー選手権を制した野洲高校をはじめ、強豪校がひしめく県内。だが、地元にプロチームがないため、有力選手が京都や大阪などのクラブへ流出していると聞く。「滋賀からも、いつかJに行ける」。そんな夢を育てる応援を、していきたいと思う。

 (作山哲平)

 <J空白県> J1〜J3の所属クラブがない県で滋賀、福井、三重、奈良、島根などの8県。昨年は、青森県のJFLチームが初めてJ3入りを果たした。空白県が残る一方、神奈川県には三つ、大阪府、静岡県には二つのJ1クラブがある。

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山
地方選挙

Search | 検索