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災害時のデマ、明治時代にも 県庁で姉川地震公文書展示

「全人類ノ滅亡」(赤線(1))、「天ヨリ灰」(同(2))といった記述がある公文書=赤線は加工=県庁で

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 1909(明治42)年に県北東部を震源に起き、県と隣の岐阜県で大きな被害があった姉川地震で、「死に至る灰が降る」といったデマが広がったことが公文書に記されていた。県庁(大津市)の県政史料室で24日まで開かれている特別展で紹介されている。災害時のデマは、2016年の熊本地震でもインターネットを通じ拡散している。展示担当者は「現代につながる問題として考えてほしい」と話している。

 姉川地震は、マグニチュード(M)6・8の内陸直下型地震。現在の長浜市で、震度6の揺れを観測した。県内では三十五人が死亡し、千戸近くが全壊。当時の東浅井郡虎姫村(現・長浜市)に被害が集中した。岐阜県では六人が死亡。両県境の伊吹山の一部が崩壊した。

 デマを記した公文書は、当時の東浅井郡が県に提出した「震災記録」。県政史料室の特別展「湖国から見た明治維新」で展示されている。

 被害や救助の状況を記した文書。この中で、「蜚語(ひご)流説」と題し、根拠のないうわさの流布について、七ページを割いている。

 記述によると、「大地に亀裂が入り、地面から泥がわき出る」「灰か毒虫が天から降り、触ると死ぬ」「隕石(いんせき)が降る」といったデマが広がった。

 「地震が起きた今年は『死に年』。全人類の滅亡は免れない」などと口にした人もいた。「死を免れるには『秘法の栗飯』を食べることが効果がある」とふれ回った人物が、逮捕される事件もあったという。

 一九二三(大正十二)年の関東大震災でも、「朝鮮人が井戸に毒を入れた」とのうわさが流れ、多くの朝鮮人が虐殺された。二〇一六年の熊本地震では、「動物園からライオンが逃げた」とのデマをインターネットを通じて広めたとして、男が熊本県警に逮捕された。

 展示担当者は「当時の人々も不安だったからこそ、うわさに惑わされた。その様子が、公文書から分かる」と説明する。展示では、姉川地震のほかに、一八九六(明治二十九)年に起きた琵琶湖大水害の様子を記した文書も紹介している。

 (森田真奈子)

 

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