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マジックの“五輪”3位 草津の片山さん、会社員と“二刀流”

FISMで3位になり、日本人9年ぶりの受賞を果たした片山さん=大津市春日町で

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 マジック界のオリンピックとも呼ばれ、3年に1度開かれる世界大会「FISM(フィズム)」の、7月に韓国・釜山で開かれた大会で、草津市の片山幸宏さん(27)が3位に入った。日本人の受賞は9年ぶり。片山さんは会社員として働きながら、大会やショーなどにも出る“二刀流”で、活動の幅を広げている。受賞に「信じられない」と照れつつ、すでに次回のFISMも視野に入れて、地元の縁日から世界大会まで幅広く飛び回っている。

 「自由にシャッフルして、僕に見えないように一枚引いてください」。取材を始めて早々、トランプのマジックを披露してくれた。言われた通りにすると「では、そのハートの9をよく覚えて」と片山さん。「えっ?」とカードを表に返すと、確かにハートの9だ。さらに、カードの山から新たに一枚引いて数字を覚えるよう言われるが、手に取ったカードはまたもハートの9。極め付きは、三枚目に引いたハートのAが、一度伏せた後に表にするとハートの9に変わっていたこと。「どうして?」と声を上げる記者に、片山さんは「今日は成功。調子がいいです」とほほ笑んだ。

 生まれは兵庫県。小二の時、担任の先生が手先からチョークを出すマジックを見せてくれて、魅了された。大学でマジックサークルに入り、手先の器用さを競う「マニピュレーション部門」で国内の大会に挑戦。数々の入賞を重ねた。二〇一五年のFISMでも本選のイタリア大会に出場したが、受賞を逃した。「それまでは、大会に出ればトントン拍子で勝てていたが、イタリアで、初めて壁にぶつかった」と振り返る。

FISMで3位を受賞した際の片山さん(右)。左は仏代表でマニピュレーション部門1位のフロリアン・セインベさん=片山さん提供

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 アジアで求められるマジックは「不思議」の体現だが、欧米では「パフォーマンス」が重視される。「カード二枚をチョウチョのように扱うとか、そういう演劇性が足りなかった」。反省を胸に、今回は大会前の休日に、仲間と舞台を備えた建物を貸し切りにして、一日中練習。平日も帰宅後、自宅で技を磨いた。

 韓国で七月にあったFISMでは、マニピュレーション部門で、ワイングラスとカードを使ったマジックを披露。グラスの中にカードが出現し、模様が変わったり、消えたりする約六分半の構成で、「手先に注目してもらうため、体の動きが伝わらないよう、要所では呼吸を止める」ことに注意した。道具が映えるよう、色の対比を考えて舞台衣装も選択。こうした工夫が高い評価を得て、見事に三年前の悔しさを晴らした。「レジェンド級のマジシャン二人に続く成績。本当に信じられない」と照れた。

 マジックの魅力を「活動を通じ、いろいろな場所でたくさんの人に出会えること」と語る。「マジックは、技で夢を見せられる。ハリーポッターの世界のような、魔法に一番近いエンターテインメントだと思っています」

 (高田みのり)

 

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