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日野祭への愛を地ビールに 地元の3人が9月中にも発売

試作品を手に、地ビールの完成を喜ぶ(左から)ショーンさん、田中さん、トムさん=日野町の滋賀農業公園ブルーメの丘で

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 日野町で毎年5月初旬に開かれる日野祭をモチーフにした地ビールが9月中にも発売される。開発したのは町在住の祭り大好き3人組。人手や資金不足に悩む祭りを盛り上げたいとの思いを込め、酒造会社「ヒノブルーイング」を設立した。

 三人は、同町大窪で酒店「酢屋忠本店」を営む田中宏明さん(35)、英会話教室を経営するポーランド出身のショーン・フミエンツキさん(38)、企業や自治体のブランド戦略などを手掛ける英国生まれのクリエーティブディレクター、トム・ヴィンセントさん(51)。

 日野祭は八百五十年以上の歴史があり、同町村井の馬見岡綿向(うまみおかわたむき)神社を中心に開かれる。見どころは、地区ごとに保存する江戸時代の豪華な曳山(ひきやま)。祭りが近づくと、各地区は人員の配置や祭りばやしの練習など入念に準備する。

 地ビール開発のきっかけになったのは田中さんが長年感じていた寂しさ。祭りになると、店には酒類の配達注文が多く入るが、卸すのはいつも大手メーカーのビール。「せっかく歴史のある地域の祭りなのだから、もっと地元感のあるものを飲んでもらえたら」

 日野祭が終わってすぐの昨年五月、少し前に田中さんと同じ地区に引っ越してきたトムさん、町内に住んで十年になるショーンさんと酒席を共にした。

 初めて祭りに参加したときの興奮を語るトムさんに触発され、地ビールへの思いを語ると、二人が「面白い。やろう」と意気投合。三人で会社をつくり、地ビール開発を目指すことがすぐに決まった。醸造は、一年近く休業状態になっていた町内の滋賀農業公園ブルーメの丘のビール工房を活用している。

 発売するのは、祭りの掛け声を冠した二種類のビール「ヤレヤレ エール」と「ドントヤレ インディアペールエール」。フルーティーな香りとコクが特徴のエールビールで、自家酒造が盛んな米国に住んだことがあるショーンさんが中心になって開発した。「ヤレヤレは飲みやすさ、ドントヤレはインパクトと苦味を追求した」

 売り上げの一部は祭りの保存会や馬見岡綿向神社、各地区に寄付し、曳山の修繕などに役立ててもらう。田中さんは「生まれてからずっと祭りに関わってきた。ビールを通じて祭りが盛り上がれば」と話す。

 将来は全国の祭りを活性化するのが大きな目標。地ビールを成功させ、モデルケースにしたい考えだ。トムさんは「祭りのおかげで以前では考えられないほど町の人と仲良くなれた。少しでも役に立てれば」と笑顔を見せる。

 地ビールはラベルなどの準備ができ次第、町内の酒店、コンビニ、ブルーメの丘などで販売する。いずれも三百三十ミリリットル瓶で税別五百円。

 (問)酢屋忠本店=0748(52)0046

 (小原健太)

 

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