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顔真卿の影響見比べて 東近江で唐時代の書家たちの企画展

顔真卿に影響を受けた書家たちの作品が並ぶ会場=東近江市五個荘竜田町の観峰館で

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 現代の楷書体の基礎を築いた中国・唐の時代の書家顔真卿(七〇九〜七八五年)にまつわる書作品をあつめた企画展「点は墜石(ついせき)のごとく−顔真卿(がんしんけい)書法とその継承者たち−」が東近江市五個荘竜田町の書道博物館「観峰館」で開かれている。二十四日まで。

 顔真卿は多くの学者を輩出した名家の出身。難関の官吏登用試験・科挙に合格し、官僚として活躍した。瀬川敬也学芸員によると、唐の二代皇帝太宗が傾倒した四世紀の書家、王羲之(おうぎし)の書が美しい字としてもてはやされた当時、顔真卿は独自の書体を追究した。

 王羲之の書は、字が縦に長く伸び、起筆がとがっていて優美な印象を与えるのに対し、顔真卿の書は、起筆が丸みを帯び、翼を広げたツバメのような形で終筆する「蚕頭燕尾(さんとうえんび)」と呼ばれる筆遣い。縦画は字の外側に膨らむように書き、字の形は正方形に近い。

顔真卿作品の拓本=東近江市五個荘竜田町の観峰館で

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 宋の時代の十世紀以降、自己の内面を表現した書が流行すると、顔真卿の書は、重厚な書風に剛直な人物像がよく現れているとされ、多くの書家が研究。自身の作品に採り入れ、アレンジした。日本の習字教育の基礎となった明治期の小学校向け習字本にも顔真卿の影響が及んでいる。

 顔真卿作品の拓本や、影響を受けた書家らの直筆など二十八件を展示した。「明朝体に近い楷書で、今の日本人も読みやすい」。瀬川学芸員はそう解説した上で、「後代の書家たちには共通する部分と、独自色を出している部分がある。作品を見比べて、見つけ出してほしい」と話す。

 月曜は休館。大人五百円、高校生・大学生など三百円、中学生以下無料。

 (小原健太)

 

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