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180年ぶりの大改修 彦根・荒神山神社

江戸時代末期に建てられた荒神山神社社務所=彦根市清崎町で

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 彦根市清崎町の荒神山(二八五メートル)山頂にある荒神山神社が、約百八十年前に建立された社務所と書院の初の大規模改修を進めている。信仰の山として親しまれ、彦根藩井伊家とのつながりを知る上でも貴重な建物として、市指定文化財に登録されている。

 一八三九〜四一年に建立され、もともとは奥山寺という名の寺院の庫裏(くり)として僧侶が生活していた。約四十年後の一八八〇年に建てられた現在の神社本殿より歴史は古い。

 奥山寺は、かまど(台所)の神様として古くから広く信仰を集め、奈良時代に神仏習合の寺院として建てられたと伝わる。明治時代の神仏分離で、二十代以上続いた寺院は廃止。神社だけが残り、荒神山神社と改称した。仏像は各地の寺に引き継がれた。

 井伊家とのつながりも深い。徳川家と豊臣家の二度にわたる「大坂の陣」の際には、二代直孝が出兵前の戦勝祈願に訪れ、荒神山の竹で旗を作ったという。井伊家が彦根藩主になった後、寺は井伊家の保護下に。代々、井伊家の祈祷も勤め、幕末の大老井伊直弼が奉じたとされる灯籠も残されている。

改修作業が進められる荒神山神社社務所の内部=彦根市清崎町で

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 建立から約百八十年が経過し、老朽化。壁の一部は崩れ、雨漏りにも悩まされてきた。氏子がいないことから、地元住民や企業に寄付を募り、市の補助も受け、改修に必要な約八千万円を集めた。

 改修工事は一昨年から始まり、既に「書院」と呼ばれる離れの工事を完了。現在は社務所の工事が進んでいる。建立時の柱や竜が向かい合う特徴的な棟瓦など骨組みは残しながら、建物を解体。二〇二〇年三月の完成を目指している。

 宮司の奥山二三男さん(69)は「二百年近く前、丁寧に造ってくれたため、壊れずに歴史を伝えてくれている。これから先の二百年も続くようにしていきたい」と話していた。

 (大橋貴史)

 

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