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目指せ新名物!!彦根のスッポン 市と市漁協連が養殖事業

スッポンが養殖されている施設。かつてはアユを養殖していた=彦根市八坂町で

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 彦根市が、市漁業協同組合連合会と協力し、県内初のスッポンの養殖事業を始めた。三年後をめどに「彦根のスッポン」として新たな名物にしたい考え。実現に向けて課題となるのは効率的な養殖法や販売網の確立だ。

 養殖場となるのは彦根市八坂町の琵琶湖沿いにある県の施設。市が借り受け、市漁協連合会の漁業関係者が養殖に向け、本格的な取り組みを続けている。

 施設は、一九九〇年にアユの養殖場として運用が始まった。三年後、海外から琵琶湖に「冷水病」が侵入して、稚魚が大量死。その影響で流通体制が大幅に崩れ、二〇〇五年まで規模を大幅に縮小して運営された後は、十年以上に渡って事実上放置された。

 スッポンの養殖は、そんな状況を打開する試み。大津市の粟津貝塚で見つかった縄文中期(約四千五百年前)のスッポンの骨から、琵琶湖周辺では、古くからスッポンが食べられていたと考えられている。

 “伝統食”を復活させようとする挑戦に連合会も期待を寄せる。北川勇会長(44)は「彦根の名物として、多くの人に食べてもらえるように頑張りたい。スッポンは、連合会にとっても起死回生の品。彦根の漁業が変わるきっかけにしたい」と意気込む。

冬眠を終えて顔を出し始めている子どものスッポン=彦根市八坂町で

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 連合会は昨年十二月、八グラムほどの子どものスッポン五百匹を購入。アユを育てていた水槽四個のうち一個に入れて育て、一冬を越した。冬眠を終えたスッポンは五十グラムほどに成長。出荷できる大きさになるには三年かかるといい、年内に新たに千匹を仕入れる。

 既存施設を使い、初期投資を抑えられたのが強み。一匹三千円ほどと高値で売れる利点がある一方、効率的な養殖法を確立できていないなど、課題も多い。北川会長は「ノウハウが分からず、まだ手探りの状況」と明かす。現状では販売網がなく、「育てっぱなしになるのでは」との不安も拭えない。

 市の担当者によると、サプリメントへの加工も販路の一つ。品質のいいものは食用として流通させたい考えだ。担当者は「販売網の構築には時間がかかる。市としても、連合会を支援していきたい」と語った。

 (大橋貴史)

 

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