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桜の老木化で彦根城ピンチ 植え替えか石垣保全か…市、頭悩ます

多くの花見客でにぎわう彦根城=彦根市で

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 県内有数の桜の名所として知られる国宝彦根城。多くの観光客が楽しむ桜の半数が、実は寿命とされる八十年を超す老木だ。更新しようにも敷地が特別史跡に指定され、一筋縄ではいかない。史跡保存か観光か。彦根市は難しい判断を迫られている。

 彦根城の桜の歴史は古くない。市教委文化財課によると、明仁親王(今上天皇)がご誕生になったのを記念し、翌年の一九三四(昭和九)年から城内にソメイヨシノ約千本を植えていった。旧彦根町の町議だった吉田繁治郎さんが大きく働きかけたとされる。

 桜は増え続け、千二百本。九割を占めるソメイヨシノは、地中深くに広く根を張る性質から、文化財課には、築城当時の石垣が現存する内堀沿いの桜について「根が石垣を押して、崩壊させる原因になるのでは」と危惧する声がある。

 彦根城は、国宝の天守だけでなく、五十ヘクタールの城内の土地も国宝と同格の特別史跡。桜を植えたのは、特別史跡に指定された五六年より前で、当時は文化財保護よりも観光振興の意味合いが強かった。

 ソメイヨシノの寿命とされる八十年を超す老木は五百二十六本と、全体の半数近い。枯れるなどした木も根元から掘り出すと石垣に影響を与えかねず、伐採にとどめているのが現状。文化財課の担当者は「明確な解決策が分からず頭を悩ませている」と話す。

 こうした経緯から、城内の桜は十年以上も植え替えがない。市は「現存する桜を大切にして長寿化させる」との方針を掲げるものの、打開策は見いだせないでいる。

 九二年に策定した彦根城整備計画にも桜に関する記述はなく、計画の初の改訂も視野に入れて協議を進めたい考えだ。

 山田静男副市長は「桜も城も先人から受け継いだ市民の大切な遺産。まずは、論点を整理するなど議論する場を設ける必要がある」と話した。

 (大橋貴史)

 

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