トップ > 滋賀 > 1月12日の記事一覧 > 記事

ここから本文

滋賀

重文の見送り幕、活気や財力感じて 長浜、曳山まつりの2山組

翁山(左)と鳳凰山=曳山博物館提供

写真

 長浜曳山(ひきやま)まつりの山組「鳳凰山」と「翁(おきな)山」の見送り幕が、長浜市の曳山博物館で初めて同時公開されている。いずれも重要文化財で、16世紀後半にベルギーで作られた。豪華な舶来品からは、商人のまちとして栄えた長浜の活気や財力がうかがえる。2月4日まで。

 見送り幕は曳山の背面を飾る幕で、「動く美術館」と称される曳山の装飾品でも中心となる。両山組の見送り幕は縦約三メートル、横二メートル超の織物で、タペストリーとして生産された。貿易で日本に渡ったとみられる。

 鳳凰山の図柄は、ギリシャの叙事詩「イリアス」に記されるトロイア戦争の「出陣するヘクトールと妻子の別れ図」の一場面。伊達政宗がローマ法王のもとに派遣した慶長遣欧使節が持ち帰ったとする説があり、もとは一枚だった物が三分割され、その一つを鳳凰山が入手した。

 経緯は不明だが、江戸後期に「松坂屋」から二百両で購入したとされる。現在の価値に換算すると二、三千万円に上るという。

 翁山の図柄は諸説あり、トルコとペルシャの講和の様子とも、旧約聖書のダビデ王物語の一場面ともいわれる。加賀の豪商から買ったとされ、もとは仏ベルサイユ宮殿に飾られていたとの言い伝えもある。まつり本番では一九九五年に作ったレプリカを掲げているため、原本を目にできる機会は貴重だ。

 担当学芸員は「欧州製の見送り幕からは、町衆の美意識や財力が分かる。曳山まつりが長浜で果たしてきた役割を、再認識してもらえるのでは」と話している。

 午前九時〜午後五時。高校生以上六百円、小中学生三百円。十三日午後一時半から展示説明会がある。(問)曳山博物館=0749(65)3300 

 (渡辺大地)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索