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<湖国の一年 回顧2017>(5) 台風5号と21号 

堤防が切り落とされている「切り通し」の現場。奥に見える姉川から、手前側の住宅地に向かって水があふれた=長浜市大井町で

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 豪雨と強風を伴う台風5号、21号が相次いで県を直撃した一年だった。川の氾濫や土砂崩れによる通行止め、琵琶湖の定置網の支柱が折れてアユ漁の解禁が延期するなど、県内各地でさまざまな被害が発生。行政が対応に追われ、課題も浮き彫りになり、来年七月の知事選の争点にもなりそうだ。

 八月八日未明、台風5号の豪雨により、長浜市大井町で姉川が氾濫した。氾濫の一因は、生活道路を確保するため、わざと堤防が切り落とされている「切り通し」。切り通しから水があふれ出て、周辺十六棟が浸水した。

 切り通しの危険性は以前から指摘されており、増水時には自治会の判断でふさぐことになっていたものの、予想外の豪雨で一気に水位が高まり、間に合わなかった。さらに、市が避難指示を出したのは越水から約二時間後。対応の遅さに批判の声が上がった。

 十月の台風21号も、各地に強い雨風と被害をもたらした。ビニールハウスの倒壊や琵琶湖の定置網の支柱破損など、農水産業の被害額は十七億円。事業所から流れ出た油が畑に流れ込み、農家が作付けできないなど、爪痕は今も大きい。

 人工の疎水を除き、唯一琵琶湖から流れ出ている瀬田川では、大雨を受け、国土交通省琵琶湖河川事務所が四年ぶりに瀬田川洗堰(あらいぜき)(大津市南郷)を全閉した。全閉後、琵琶湖の水位は氾濫注意水位(七十センチ)に迫る六十四センチまで上昇。水位上昇や琵琶湖の洪水を懸念して全閉回避を求める県と、下流域の洪水被害を防ぎたい国の姿勢の違いがあらためて問題となった。

 台風被害後の県議会十一月定例会議や各委員会では、河川整備の遅れが被害の大きかった理由だとする声や、「川の水を流す政策に転換しないと災害は減らせない」といった指摘が相次いだ。凍結している大戸川ダムの工事着工を求める声も強い。

 近年台風被害は、年々各地で多発化、深刻化の一途をたどっているように思えてならない。琵琶湖を抱え、天井川の数日本一の県だからこそ、迅速、的確な減防災対策が求められる。

 (高田みのり、渡辺大地)

 台風5号による姉川氾濫では、長浜市で住宅16棟が浸水、約550人が公民館などに一時避難した。被害を受けて、県は約1カ月後に切り通しを封鎖。市も、台風時の職員の対応を決めた「事前行動計画」を策定した。

 国が激甚災害に指定した台風21号では、東近江市と長浜市で1日に200ミリ前後を記録。観測史上1位となり、土砂崩れによる通行止めも相次いだ。県は5号と21号を中心に30億円を超える補正予算を組んだ。

 

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