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<湖国の一年 回顧2017>(2) タカタ経営破綻

創業地にあるタカタ彦根製造所=彦根市彦富町で

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 彦根市で創業し、欠陥エアバッグのリコール問題をきっかけに経営破綻に追い込まれた自動車部品大手の「タカタ」(東京)。生産拠点が集中する県内にも当初、動揺が広がったが、半年が過ぎて表面上は落ち着きを取り戻している。ただ、事業譲渡後の見通しは不透明で、県内の取引先関係者の不安は払拭(ふっしょく)されていない。

 タカタは来年二月末には東京地裁へ民事再生計画案を提出。三月に事業が別会社に譲渡されることになっている。

 県内では彦根、長浜市、愛荘町に四製造所を構え、シートベルトを中心に製造している。このため関連部品を製造する企業が、湖東地域を中心に古くからタカタと取引を続ける。欠陥があるとして問題となったエアバッグは県内では製造していない。

 数十年以上取引がある県内企業の関係者は「特に大きな変化は起きていない」と話す。破綻直後に彦根市の彦根製造所で取引先を集めた会議では、タカタの社員が「当分の間は受注をするので安心してほしい」と説明。その後も緊急の会議などが開かれる事態はなく、受注量にも変化はない。

 彦根商工会議所でも、関係企業向けの相談窓口を設けたが相談はゼロ。担当者は企業への聞き取り調査も踏まえた上で、「特段大きな変化はない」と分析する。

 とはいえ、県内の現場では今後の経緯を見守る以上の手だてがないのも実情。先の関係者は「結局、先のことは誰にも分からない」と付け加えた。

 タカタの社内も同様だ。愛荘町の愛知川製造所に勤務する三十代の男性社員は、経営破綻直後に社員を集めた説明会で、会社幹部から「安心してほしい」と言われた。半年が過ぎた今、「社内も落ち着いている」と話す。

 その一方で、同業他社などに愛知川製造所だけでも百人以上が既に転職したという。男性社員は「会社の置かれた環境が急激に変化すれば、従業員の不安をあおるだけ。とにかく安心させてほしい」と注文を付けた。

 (山村俊輔)

 欠陥エアバッグのリコール問題で経営危機に陥ったタカタは6月26日に東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。負債総額は製造業の経営破綻では戦後最大の1兆円超とみられる。来年3月末には、中国系の米自動車部品大手キー・セイフティー・システムズに事業が譲渡される。

 

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