トップ > 滋賀 > 12月21日の記事一覧 > 記事

ここから本文

滋賀

「最高のプレゼント」 呼吸器事件、西山さん再審決定喜び

再審開始を認める決定が出て、支援者に祝福される西山さん(右)=大阪市北区で

写真

 東近江市の病院で患者の人工呼吸器を外して殺害したとして、殺人罪で服役した元看護助手西山美香さん(37)=彦根市=の再審が二十日、大阪高裁に認められた。西山さんは両親や弁護団とともに、大阪高裁と大津市内で喜びを語った。主な一問一答は次の通り。

 −今の気持ちを

 不安もあったので決定を見てびっくりした。二十六日が三十八歳の誕生日。最高のプレゼントとなった。裁判官がやっと私の気持ちを分かってくれたと思うとうれしい。

 −検察に対して

 特別抗告を絶対してほしくないけど、絶対してくると思うので、負けずに戦い続ける。

 −獄中にいた十三年間を振り返って

 最初は支えてくれる人がいないと思い、自暴自棄になってしまった。でも、育ててくれた両親、支えてくれた支援者の皆さん、弁護団の先生たちのおかげで乗り越えられた。本当に感謝している。

 −亡くなった患者さんへの思いは

 私は患者さんを殺してはいない。でも、当日勤務していた一職員として、申し訳なかったと思っている。

 −取り調べでの虚偽の「自白」について

 周囲に迷惑と労力を掛けてしまった。こんなに大きなことになると思っておらず、今でも後悔している。うそをついているからつじつまが合わなくなり、そのたびにああじゃないか、こうじゃないかと誘導されてしまった。

 −どうして冤罪(えんざい)が生まれると思うか

 警察や検察が自白だけを証拠にするから。早く再審開始して無罪判決をもらいたい。

◆「速やかに公判を」

 <井戸謙一再審弁護団長の話> 大阪高裁の決定は非常に論理的で、地道に考え抜かれた内容だ。捜査では自白だけでなく、裏付けの証拠探しをしないといけない。ずっと損なわれてきたことが、やっと正された。検察側は不服申し立てせず、速やかに再審公判で有罪か、無罪か対峙(たいじ)していただきたい。

◆県警「コメント控える」

 再審開始の決定に対し、県警は「見解を述べる立場にないので、コメントは差し控えたい」と答えた。一方、当時を知る捜査幹部は取材に「西山さんの自白で動きだした事件。犯人としか思えない」と驚きを隠せない。

 捜査幹部は、西山さんの「自白」に「別の看護師による業務上過失致死事件として調べていたのに、西山さんがいきなり『殺した』と言ったというからめちゃめちゃ驚いた」と当時を振り返る。

 獄中で発達障害や知的障害が判明したことには「発生当時の二〇〇三年は、そんな言葉もない時代。彼女は上司から怒られながらも仕事をこなしていた。障害を疑う余地なんてなかった」と話した。

 (呼吸器事件取材班)

 

この記事を印刷する

中日新聞・北陸中日新聞・日刊県民福井 読者の方は中日新聞プラスで豊富な記事を読めます。

新聞購読のご案内

PR情報

地域のニュース
愛知
岐阜
三重
静岡
長野
福井
滋賀
石川
富山

Search | 検索