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関係者「なぜ」の声 米原官製談合

職員逮捕を受けて会見で陳謝する平尾市長(右)=米原市役所で

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 米原市発注の認定こども園関連工事を巡る官製談合事件で、二十日に逮捕された市保育幼稚園課主査の森篤志容疑者(39)と、建設会社「中長工務店」代表の中嶋孝晴(70)、従業員で息子の中嶋長生(40)の両容疑者は十年以上前に知り合った間柄だった。関係者からは、業者側が利益の薄い最低価格ぎりぎりで落札したことをいぶかしむ声が聞かれた。

 森容疑者は、二〇〇七年四月に入庁。ゼネコンで働いていた経験から、市役所各課で設計・監督担当として入札に携わってきた。「大きな事業を任せられるスペシャリストになりたい」と目標を周囲に語っていたという。

 疑いが持たれているのは、昨年十一月に入札があった市いぶき認定こども園の調理場拡張建築工事。森容疑者が事前に最低制限価格を算出する基準額などを漏らし同店が最低制限価格を二千円上回る千九百五十五万五千円で落札したとされる。

 二十一日、市役所米原庁舎で会見した平尾道雄市長は「公務員として恥ずべき不祥事で社会人としてもあるまじき行為。市民の皆さまにおわびしたい」と、深々と頭を下げた。

 一方、中嶋孝晴容疑者を知る行政書士は「長年付き合っていたが、森容疑者との関係は知らなかった。最低落札価格ぎりぎりで受注すると、業者は損をするのに、社長は言うことを聞かなかった」と不思議がる。

 入札に参加した業者も「追加の工事が見込めない案件なので、是が非でも落札したいものでもないのに、なぜなのか」と首をかしげる。別の業者は「市役所が厳格に価格を算定してくれたのか」と疑問を投げかけた。

◆価格推測し漏らす? 森容疑者は知る立場になく

 米原市は入札時の不正を無くすため、二〇一三年一月から「係数抽出変動型最低制限価格制度」を導入し、談合防止のための対策を取ってきた。担当者でも最終的な落札価格を把握できない仕組みだが、森容疑者はそれに近い価格を推測して業者側に漏らした可能性がある。

 入札では、市があらかじめ業者に予定価格を公表。そこから「最低制限基準額」を算定式に当てはめて計算し、課長以上が決裁を出す。さらに入札当日には、上下1%以内で収まるように調整係数を乗じて、最終的な「最低制限価格」を算出する。この調整係数は、入札当日に二十一種類のくじ引きによって決定している。

 このため市は「基準額は管理職の手によって決められるので、森容疑者はそれを知る立場には無い」との見解を示す。ただ、基準額の計算式は工事の種類でおおむね決まるため、ある市幹部は「実際のところ、経験豊富な森容疑者なら(最低制限価格に近い)基準額は簡単に計算できただろう」と話している。

 

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