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ハス再生へ移植の実験 草津市が関連予算案

市が実施した調査で土壌を調べる調査員=草津市の赤野井湾で(市提供)

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 草津市の烏丸半島岸の琵琶湖から群生ハスが消えた問題で、市は移植による再生を目指す実証実験に乗り出す。二十四日からの市議会定例会に関連予算案を提出する。生態系を守りつつ育てる必要があるため、慎重な検証が必要になりそうだ。

 烏丸半島の赤野井湾は、かつて十三ヘクタールにわたって淡いピンク色のハスの花が咲き誇り、国内最大級の自生地として知られた。しかし昨年、群生の大部分が消滅し、現在は湾内二カ所にわずかな数を残すのみだ。

 実験は来年二〜三月、残ったハスから地下茎(レンコン)を採取し、湾内四区画に移植。うち一区画では周辺から土を移植し、夏まで生育を比較する。

 狙いは、今年三、四月に市が実施した調査の結果を検証し、生育に適した条件を探ることだ。市が小林圭介・県立大名誉教授らに委託した調査では、ハスの枯れ葉などが長年にわたって積もり、土中のメタンガスが増加するなど生育に適さない環境になった可能性を指摘している。実験で順調に花が咲けば、調査の裏付けになり、本格的な再生に見通しが立つ。

 しかし赤野井湾はヨシ群落保全のため、県の条例で土壌の大規模な改変を制限している。市環境課の担当者は「堆積物を除くだけで済めば良いが、もし土壌の入れ替えが必要なら問題」と言う。実験では、できるだけ生態系を崩さないよう湾に流入する河川から土を使うことも考える。

湖面にわずかに残ったハスの葉=草津市の赤野井湾で(市提供)

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 また、ハスは地下茎から新しい芽を出すため、もし今残るハスが枯れれば再生は途端に難しくなる。種子から育てた場合、花の色、形が以前と変わることもあり得るという。

 調査では、ハス群落が三十〜四十年で枯死する例が多いことも指摘している。隣接する水生植物公園みずの森でハスの栽培に関わる上田雅也さん(45)=市公園緑地課=は「ハスの消滅が生態系全体の中でどういう意味を持つかはまだ分からない。生育に適した環境が戻るまで、継続的に見ていく必要があるのでは」と話している。

 (野瀬井寛)

 

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