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自動運転へ高まる期待 東近江で実証実験

走行実験のため、運転席を離れるドライバー

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 交通網が縮小する過疎地の交通手段として注目される自動運転車の実証実験が、東近江市蓼畑町の道の駅「奥永源寺渓流の里」を中心に行われている。乗車を体験した地元住民からは期待の声が寄せられるが、実用化のハードルはまだ高い。

 実験車両は二十人乗りのマイクロバス。高精度の衛星利用測位システム(GPS)と、路面に埋め込まれた磁気マーカーを頼りに、事前に記憶させたコースを自動でたどる。

 実験は十一日に始まった。十三〜十七日の期間の大半は、道の駅を発着場に、片道二・三キロのコースを一日五〜七往復し、地元住民や公募のモニターが乗車している。

 他に交通手段がなく、今も日常的に車を運転する近くの桜木甚一郎さん(85)は十三日に体験。高齢者の運転免許証の自主返納が話題に上り、不安も抱えていただけに「停留所にバスを寄せて停車するなど、細かい部分にも対応している」と性能に感動していた。

 交通機関としての有用性を確かめようと、実験では、道の駅に出荷する農産物や弁当類も運んでいる。

 七十年以上続く仕出店「かわきや」を一人で切り盛りする川上律子さん(70)は、普段は車で道の駅に持ち込むちらしずしを、店の前に止まったバスを利用して搬送。「これなら運転できなくなっても仕事を続けられる。夢のある話なので、ぜひ実現させてほしい」と期待を寄せた。

 十四日には、緊急時に対応するドライバーが運転席から離れて走る無人実験も実施。封鎖した道路二百メートルを時速十五キロ前後でスムーズに走行した。

 課題は、実際の公道で複雑な現場の状況に対応できるか。例えば、前方に停車中の車を認識したとき、対向車を確認した上で、車線をはみ出し、車をよけて走行を続ける動作など、とっさの状況判断や、具体的な動きは、まだ実証実験の段階に達していない。

 今回、その第一歩として予定していたセンサーによる障害物の感知・停車機能の検証は、安全面から見送られ、走行の妨げになるとして、自動停車機能もオフにして実験が進んだ。現時点では、センサー自体も誤認も多いのが現実だ。

 車両を開発した東京大発のベンチャー企業「先進モビリティ」の現場技術責任者、江尻賢治さんは「センサーの種類を変えるなどして検証を進めていきたい」と意欲を見せた。

 (小原健太)

 

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