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パルコ、21年の歴史に幕 大津市中心地

31日限りで営業終了する大津パルコ=大津市打出浜で

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 大津市打出浜の「大津パルコ」が三十一日、約二十一年の歴史に幕を下ろして閉店する。市中心部では商業施設の撤退が相次ぎ、地域全体のにぎわいが失われるとの不安も広がる中、関係者は後継店舗の行方を注視している。

 大津パルコは一九九六年に開店した。東京の人気ファッションブランドなど百三十のテナントが集結。県内の若者文化の発信地となり、周辺の商店街にも新しい人の流れを生んで歓迎された。

 「開店当時は滋賀が都会に近づいた気がした」。草津市の主婦北村麻貴さん(42)は、売り場に張り出された昔の宣伝ポスターを見て懐かしむ一方、「若者向けのブランドは、郊外のショッピングセンターでもそろう。パルコは昔の華々しさがなくなってしまった」と話した。

 転機は二〇〇八年ごろ。イオンモール草津(草津市)やフォレオ大津一里山(大津市)など大型ショッピングセンターが相次いで開業し、競争が激化した。パルコはターゲットの年代を拡大。安価な衣料品チェーンや雑貨店など大型テナント中心の構成に改めたが、開店時の勢いを失っていった。

 同店によると、ピークの一九九八年度に百五億円だった売り上げは、昨年度には三十五億円まで減少。黒字は維持しているが、空き店舗も生まれ、収益力は回復しなかった。

 市中心部では、二〇一五年の西友大津店、一六年のアル・プラザ大津店など大型店の撤退が相次ぐ一方、中規模の食品スーパーの開店も目立つ。松沢秀夫・市まちづくり連携推進監は「生活スタイルも変わり、地域に合った店舗をつくろうという時代の流れがあるのでは」とみる。

 パルコの土地・建物を取得して改装するアーク不動産(大阪市中央区)は、九月以降も営業を続ける映画館「ユナイテッド・シネマ大津」以外、入居するテナントを公表していない。担当者は「パルコのようなブランド力がない分、地元の人に使っていただける店舗にする」と話す。

 すでに、近隣の商店街「膳所ときめき坂」のイベントに同社も協力の意向を示し、地元との意見交換も重ねている。膳所駅前商店街振興組合の戸所新太郎理事長(71)は「大きな商業施設を一から作り直すチャンス。日用品をそろえて、地域のニーズに応えれば商機はある」と前向きに捉える。

 一方、他の商業施設との差別化を求める声も。パルコに出店している衣類セレクトショップ「Switch」の男性店員(43)は「ここは上質な品を求めるお客さまが多い恵まれた立地」と振り返り、「小規模でも個性あるテナントを集めなければ、いずれは他との競争で埋没してしまうと思う」と語った。

 三十一日は午前十時に開店し、午後八時半に営業を終了。四十分から閉店セレモニーがある。

 (野瀬井寛)

 

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