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静岡

希望の風 期待と不安

2017年9月30日 紙面から

◆県内有権者「自民の対抗軸に」「具体像見えない」

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 評価と批判が交錯−。十月二十二日投開票の衆院選は、小池百合子・東京都知事が率いる「希望の党」の誕生で野党再編が加速している。設立メンバーの前職細野豪志さん(46)は二十九日、「県内全八選挙区に候補者を擁立したい」と表明。有権者は自民党への批判の受け皿として期待する一方、期待を集めながら混乱を招いた旧民主党(民進党)と重ねる見方や、具体像が見えないことへの戸惑いも根強い。

 上川陽子法相(64)=自民=の地元、1区では新人福村隆さん(54)が準備を進める。静岡市駿河区の無職木下征司(しょうじ)さん(75)は「政策的に合致した候補のみを受け入れる小池さんの戦略はさすが。自民の対抗軸になりうる」と感心する。ただ、公約の「原発ゼロ」や「消費増税凍結」の実現プロセスが見えず、旧民主党政権の迷走を踏まえ「打ち出すだけでは国民の理解は得られない」とくぎを刺した。

 元職鈴木望さん(68)が公認される見通しになった3区。袋井市の四十代の男性会社員は「既存の与党を倒そうという勢いがある。風が吹きそう」と注目する。

 一方、磐田市の無職の男性(67)は「自民党に対抗する意志は分かるが具体像が見えない。民主のドタバタが繰り返される心配もある」と言う。菊川市の県立大四年、鈴木紗依さん(22)も「小池さんは、世間の目だけ見て脱原発と言い出しているようで信用できない」と厳しい目を向ける。

 8区では新人源馬謙太郎さん(44)が出馬予定。浜松市中区で英会話教室を営むロビンス小依(さより)さん(39)は、自身が反対する安保法や改憲に希望が前向きな点を残念がり「何をやりたいのか分からない」。外国人支援事業を展開する一般社団法人代表の堀永乃(ひさの)さん(41)は「議席ありきで国民ありきではない」と指摘した。

 候補者が決まっていない7区。奥浜名湖商工会職員の窪野洋一さん(40)=浜松市西区=は「『またか』という印象。(都知事だった)石原慎太郎さんも政党をつくったが、うまくいかなかった。若い人たちは気にも掛けないのでは」と疑問視する。

 5区の富士市で二十九日夜、細野さんが開いた希望の総決起大会。参加した市の保育サポート員市川壹美(かずみ)さん(51)は「民進党というよりは細野さんを支援してきた。党が変わっても変わらず応援する」と話した。

 細野さんが離党した民進党を熱心に支援してきたという市内の主婦(80)は「小池さんや細野さんは安保や改憲の考え方が民進とは違うのですごく困る。かといって自民には投票したくないし…」と困惑した表情で語った。

(衆院選取材班)

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