• 中日新聞ウェブ
  • 中日新聞プラス

記事

訴え、届いてますか 演説力をチェック

2017年4月20日 紙面から

 弁舌巧みな政治家か、理路整然と話す弁護士か−。三期目を目指す河村たかしさん(68)と、前副市長で弁護士の岩城正光(まさてる)さん(62)が事実上の一騎打ちを演じる二十三日投開票の名古屋市長選。「言葉が武器」の二人だが、選挙戦で有権者にどこまで届いているのか。政治家の演説分析で知られる高瀬淳一・名古屋外国語大教授(58)や、教え子の学生にチェックしてもらった。

 選挙戦中盤の演説を記者が動画で撮影して、表情や身ぶり、声のメリハリなどの観点で評価を依頼した。

 子連れの母親と記念撮影に応じ、「三年連続で待機児童ゼロを達成した」と実績を強調する河村さん。相手によって演説内容や表情を変える柔軟さに、高瀬教授も「聴衆を巻き込むうまさは、もはや名人芸」と感服する。身ぶりは多くないが、八百万円に減額した市長給与の話題では大きく手を上下させて説明。「要所要所で使う方が、説得力を補ってくれる」

 四年の津田翔也さん(21)は「間の取り方が変則的。長時間聴いても飽きない」。何が飛び出すか分からない即興性と緊張感があるという。ただ、名古屋弁は若者に伝わりにくいようだ。一年の佐藤宏美さん(18)は「印象に残るけど、何を言っているのか分からない」と苦笑した。

 対する岩城さんの演説は、自己紹介や公約、河村さん批判、支持の訴えと、弁護士らしく筋道立っている。「ゆっくり明瞭に話しており、聞き取りやすい」と高瀬教授も高評価。ただ、淡々と車道に向けて手を振り続ける姿に「歩道の聴衆や通行人をしっかりと見つめて振ったり、呼びかけたりしてほしい」。まだ演説慣れしていないためか、小学校給食の無償化を訴えている最中、通り過ぎる親子連れに気付かないことも。

 終盤では「チェンジ名古屋」と声を張り上げ、市政刷新をアピール。「演説は定型的で、チェンジと結びつきにくい。もっと具体例を」とアドバイス。一年の太田汐里さん(18)は「お手本みたいで分かりやすい。でも批判だけじゃなく、何がやりたいのか知りたい」と物足りなさそう。

 地下鉄沿線で演説する元会社員の太田敏光さん(68)は、通行人が通り過ぎてもマイペース。高瀬教授は「大都市では無党派層をつかまなければ勝てない。言葉の魅力でひきつけてほしい」と指摘した。

 (市長選取材班)

最新記事

記事一覧

なごや市長選新聞 なごや市長選新聞
新聞購読のご案内