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18歳の未来も語って 政令市長選で初の選挙権

2017年4月11日 紙面から

 二十三日投開票の名古屋市長選は、昨年六月、選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられてから初の政令市長選になる。市民に身近な問題が争点となる選挙だが、自分たちの生活とは微妙な距離を感じる若者もいる。演説会場で、その胸の内を聞いた。

 「場違い感ありありですよね、私」

 十日朝、名古屋城近くであった現職の河村たかしさんの街頭演説。天白区の大学二年安藤静花さん(19)は、年配の男女が目立つ会場で戸惑いを隠せなかった。減税に、敬老パス−。耳に飛び込むキーワードはどこか遠く響く。

 十八歳で迎えた昨夏の参院選で人生初の一票を投じた。それなのに「誰に入れたかも、その人が当選したかも覚えていない」。結局は、七十年ぶりの制度改正に沸く熱気に背を押され、投票所へ行っただけだった。

 今度こそ意味があったと言える票を投じたい。そう思って足を運んだ。この日、新人の岩城正光(まさてる)さんの演説と聞き比べても、判断の決め手は得られなかった。「社会へ出て納税者になり、もしかしたら子育てしているかもしれない五年後、十年後の名古屋をもっと語ってほしかった」

 告示日の九日。出発式で歌とダンスを披露した新人候補を二人の若者が見つめていた。今春、新たな一歩を踏み出した岐阜市立女子短大一年の清水里奈さん(18)=瑞穂区=と、日本福祉大一年の金子雄亮さん(18)=熱田区。二人とも、参院選の時は十七歳だった。

 清水さんは若者を意識したパフォーマンスに「立ち止まるきっかけになる。少しだけ身近に感じられた」。

 金子さんにはもどかしさも。河村さんと岩城さんの演説内容は、子どもやその親、お年寄りに向けたものばかり。「自分たちの世代への目線が抜け落ちている。有権者の幅が広がったのに語られる政策の幅は広がっていない」。会場で受け取ったチラシにも興味を引く内容は見つからなかった。

 ただ、投票には必ず行くつもりだ。「十八歳選挙がメディアで取り上げられなくなり、ブームが去った今回こそ、若者の意識が問われるから」。有権者として迎える初の選挙。「しっかり未来を見極めたい」

 (安藤孝憲)

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