静岡

経済界の反応 着実な政策要望

2016年7月12日

 参院選で与党が改選過半数を上回る議席を獲得したのを受け、県内の経済団体や企業のトップからは十一日、国内経済の安定に向けての期待や経済政策の着実な実行を求める声が聞かれた。一方、衆参両院で改憲勢力が三分の二を超えたことなどに絡み「謙虚に進めてほしい」との注文もあった。

「政権が安定し、経済が落ち着いてくれれば」と語る浜松商工会議所の大須賀会頭=浜松市中区のホテルクラウンパレス浜松で

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 浜松商工会議所の大須賀正孝会頭(ハマキョウレックス会長)は浜松市内であった定例記者会見で、選挙結果に関して「海外で経済が落ち着かない状況だけに、良い結果だったと思う」と語った。

 選挙戦を振り返って「野党は政策論を話してほしかった。揚げ足取りでは国は任せられない」と指摘。「英国の欧州連合(EU)離脱など海外の要因により、日本の経済が落ち着いてない。政権が安定して落ち着いた経済になれば」と期待した。

 石井義勝副会頭(ブティック・ビギ社長)は「政権が安定して、リーダーシップを執りやすくなった。経済を底上げするような方向で政策を進めてほしい」と要望した。

 岡部比呂男副会頭(ヤマハ顧問)は「すべて信任を得られたというスタンスは少し心配。謙虚にやってほしい」と注文した。山本敏博副会頭(聖隷福祉事業団理事長)は「消費税の再増税が延期され、社会的弱者の問題などへの対応に不安が残る。投票結果によって、こうした問題の解決も進めやすくなることを期待したい」と話した。

◆経済団体コメント

 静岡商工会議所・後藤康雄会頭 社会保障の充実や少子化対策など待ったなしの状況下、「力強い景気対策」「地方創生」「中小企業に対するきめ細かな支援」などの諸施策が迅速かつ着実に実施されることを強く願う。二〇一九年十月の消費増税を確実に実施できる環境を整えてほしい。

 県商工会連合会・前沢侑会長 小規模事業者は依然として厳しい環境にあり、アベノミクス効果が実感できていない状況にある。与党の勝利でさらに効果的な経済対策が実施され、小規模事業者の持続的な発展が進むよう期待する。

 県中小企業団体中央会・諏訪部敏之会長 中小企業が元気にならなければ、日本は元気にならない。これまでの施策は実現には程遠い状況にあると感じている。中小企業に対する迅速かつ具体的な施策に取り組むことを切望する。

◆県西部の企業の反応

 ものづくりが盛んな県西部の企業のうち、スズキの鈴木修会長は「予想通りの結果だった。野党は野合ではだめだ。イギリスの欧州連合(EU)離脱や為替の動向など世界経済は不安定になっている。国内経済の安定には、政権の安定が必要。結果には満足している」と評価した。

 ヤマハ発動機の柳弘之社長は「世界経済が急速に不透明さを増す中、中長期にわたる日本経済の成長戦略を具体的なものにして、日本企業のグローバル競争力を高める施策を実行してほしい」と注文する。

 浜松ホトニクスの晝馬(ひるま)明社長も「成長戦略はまだ軌道に乗ったとは言えない。経済対策を最重要課題として進めてほしい」と安倍政権が進める経済政策「アベノミクス」のさらなる推進を求めた。

 中小企業では、プラスチック製の自動車部品などを製造する羽立化工(湖西市)の中村哲也社長は「大規模な金融緩和が始まった約三年前から、実体経済が良くなったという実感はない」。浜松市南区の製造業の男性経営者(66)は「金融緩和によって円安が進んで一部の大企業は高収益を上げたが、中小企業が潤う状況ではなかった。末端の企業を底上げする仕組みづくりを求めたい」と訴えた。

(瀬戸勝之、矢野修平、西山輝一)

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