静岡

国政の争点結び付けられず 前山亮吉県立大教授

2016年7月11日

◆緊張感ない選挙戦に終始

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 盛り上がりを欠いた選挙だったにもかかわらず、県内投票率は55・76%に上がった。しかし、これ以上、伸びなかったのは選択肢が事実上、自民党、民進党、共産党に限定されたのが理由。静岡県は緊張感のない選挙戦に終始し、有権者の投票行動に憲法改正など国政上の争点を結び付けられず、政党の県内実績に応じた平凡な結果となった。

 大政党が候補者を一人に絞れば無風区になってしまう仕組みの参議院二人区は民意の多様性を反映できない。将来的に静岡は一人区になるかもしれないし、東海圏の地域ブロック化で、多くの選択肢ができるかもしれない。いずれにしても現状の二人区よりは有権者の投票意欲を向上させると思う。参議院選挙区制度の抜本改革が望まれる。

 ただし、どんな構図の選挙でもその結果はさまざまな読み方ができる。今回、民進党の平山さんの得票数が自民党の岩井さんの得票数に肩を並べたことが注目される。

 さらに選挙区の民進票と共産票合計が前回より上積みし、自民票を上回った。全国的には与党と改憲派が優勢を占める形勢であるが、県内の投票行動はそれほど単純ではなかった。こうした傾向は来年の知事選の構図にも影響をもたらすだろう。少なくとも自民党独自候補擁立には慎重な判断が求められるのではないか。

 最後に十八歳、十九歳の新有権者は、投票したか否かを問わず、今日の新聞で全国各地の結果と静岡の結果とを比較して違いにぜひ注目してほしい。日本は広く、選挙結果に表れる民意も現職大臣の落選などさまざまだ。民意の多様性を発見してみよう。

(寄稿)

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