静岡

<18才の夏+新聞カフェ> 不在者投票に挑戦

2016年7月7日

◆手続き複雑すぎ!

松江市のホームページからダウンロードした「投票用紙等の請求書兼宣誓書」。生年月日欄に「平成」はない

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 親元を離れて一人暮らしをする大学生の中には、住民票を移していない人も多い。住民票が実家のままでも投票できる制度が不在者投票だ。参院選公示後に、浜松市中区の静岡文化芸術大の学生らが挑戦してみると、手続きは意外と複雑だということが判明。なんとか投票できた学生もいれば、途中で断念してしまう人もいる。

 三年の野々内万穂(まほ)さん(21)は松江市出身。地元で就職するつもりで、住民票は移さなかった。十八歳選挙権について議論した、六月の文化芸大と中日新聞東海本社の「新聞カフェ」では「地元に帰れないから」と投票をあきらめかけていた。記者の勧めで、不在者投票に挑んだ。

 投票用紙を請求するための書類は、松江市のホームページからダウンロードした。でも、どうやって記入すればいいのか分からない。いろんなサイトを検索して記入例を探した。

 生年月日の和暦を丸印で囲む欄は「明治・大正・昭和」のみ。「松江市めっちゃだめですね」と笑い、自分で「平成」と書き足した。送り先は、松江市選挙管理委員会。「それってどこにあるの」

 二年の毛利とわさん(19)は愛媛県宇和島市出身。「地元とつながりを持っていたい」と、住民票は地元のままだ。不在者投票に臨むつもりだったが、どうすれば投票できるのか調べても分からなかった。悩んでいるうちに七月になり、「もう間に合わないだろう」と棄権することにした。

 不在者投票は、地元の選管に宣誓書・請求書を送って投票用紙を郵送してもらい、居住地の投票所で投票用紙に記入。再び地元に郵送するため、やりとりに時間がかかる。毛利さんは「せっかく十九歳もできるようになったから投票したかった。ネットでできたらいいのに」と声を落とした。

 「松江市選管 住所」でネット検索し、選管が松江市役所内にあることを知った野々内さんは、無事に投票用紙を請求して六月末に速達で受け取った。そして七月六日、緊張した面持ちで浜松市役所に投票にやってきた。市職員が封筒をはさみで切り、投票用紙を手渡す。

 野々内さんは、じっくりと時間をかけて選挙区と比例区の投票用紙にそれぞれ書き込み、二重の封筒に包んで封をした。

 「想像したよりもだいぶ面倒くさかったけど、今はほっとした気持ち」と語る野々内さんの表情は晴れやかだ。「投票したぞ、政治に参加してやったぞって感じですね」

(石川由佳理)

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