静岡

障害があっても毎回参加 ワクワク 投票日心待ち

2016年7月7日

◆イベントと捉え楽しむ 湖西の日下部さん

 「うれしいな ぼくのいっぴょう とうひょうび」。肢体障害や知的障害のある日下部伸雄さん(34)=湖西市太田=は、参院選の選挙期間に入り、五・七・五調でこう紙に記した。投票日を「ワクワクする」と心待ちにしている伸雄さん。母弘美さん(70)は入退院を繰り返した息子の幼少期を振り返り「一人の社会人として成長し、投票の習慣が身に付いたことがうれしい」と、感慨深げに見守る。

 伸雄さんは四人きょうだいの末っ子。幼少期に骨形成不全症と診断され、十八回の骨折と入退院を繰り返した。十歳で大手術をして車いす生活に。知的障害があるほか、目や耳も不自由だ。

 性格は明るく活発で、障害者福祉施設「浜名学園きぼう」で、チラシの仕分け業務に励み、課外活動にも積極的に参加する。選挙期間に入り、まちが騒がしくなると「早く投票に行きたい」と話し、選挙を一つのイベントと捉え楽しみにしているという。

 弘美さんが思い出すのは、伸雄さんが初めて投票した日。投票所にスロープはなく、家族で車いすを抱えて階段を上った。背筋を伸ばして用紙を記入し投票箱に入れる姿。「一人前の社会人になった」とうれしかった。

 あれから十五年。弘美さんはテレビの政見放送や国会中継を見ながら、伸雄さんも交えて家族で政治について話すようにしている。「どこまで理解できているか分からないけど、社会参加が大事」と語る。

 「障害者への理解はだいぶ深まった」と話す弘美さん。投票所にはスロープが設けられ、まちなかには車いす用のトイレも増えた。心配するのは孫世代が生きる未来の社会だ。「障害者もお年寄りも、皆が安心して平和に暮らせる世の中になってほしい」。そう願いながら、今回も家族で投票に向かう。

(山野舞子)

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