静岡

<18才の夏+新聞カフェ> 「自分も当事者」実感

2016年6月23日

 二十二日に舌戦の火ぶたが切られた参院選。浜松市中区の静岡文化芸術大と中日新聞東海本社のコラボ企画「新聞カフェ」は、大学を飛び出して、候補者の街頭演説の現場へ向かった。支援者が集まる独特の雰囲気、投票を懇願する候補者の絶叫…。初めての選挙に臨む十九歳、二十歳の学生の目にはどう映ったのか。

 正午前、JR浜松駅北口で開かれたある候補の出陣式。集まった数百人の年齢層は高めだ。「こんなに人が来るんだ。でも若い人は全然いないですね」。三年古橋達基さん(20)が苦笑いを浮かべた。

 応援に駆けつけた衆院議員が「静岡で一位を取らなければ。二位では負けなんです」と語気を強める。「なんだか受かるのが前提でいるような感じだなあ」と古橋さん。絶叫調の応援演説が続き、候補者の登場は最後。「ふるさとのために、わが国日本のために、十八日間全力で駆け抜けます」と叫んだ。

 午後二時、同じ候補者が浜松市街地でマイクを握った。出陣式にいた大勢の支援者の姿は消え、演説を聞いているのは、古橋さんと、後から加わった二年村上黎弥(れいや)さん(19)、同大山湧希さん(19)の三人だけ。訴えは自然と若者支援に移る。

 「学生の皆さんが選挙に興味を持てないのは政治に責任がある」「学生が勉強したいと思うならば、金銭的負担を少なくするのも政治の役割」。目を見て語りかけ、握手を繰り返し、若者へのアピールを続けた。もう握手は三回目だ。学生との距離は一メートルもない。

 候補者の熱を間近に感じ「少人数の前でも演説してくれて好印象。若者にもちゃんと目を向けてくれているって感じた」と村上さん。一方で「観光やサービス業を伸ばしていきたいと言っていたけど、具体的にどう実現させるんだろう」と冷静な視点も。

 午後二時半、遠鉄新浜松駅前で街頭演説を行った女性候補は「収入は増えていても実質所得は減っている。進学希望者には返済する必要のない奨学金を」と訴えた。大山さんは「同じ女性で身近に感じた」と好感を持った。「でも、二人ともなんだか支援者に向けたスピーチという感じ。誰にしようか考えている立場からすると中身がないな」

 「今まで街頭演説はうるさいなとしか思っていなかった」という古橋さん。「自分が当事者になったことを再確認した。全員の候補の演説を聞いてみたい」。投開票日は七月十日。「ほかの候補の演説の日時が分かったら教えてくださいね」。記者にそう言い残すと、自転車に乗って大学に戻っていった。

(石川由佳理)

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