静岡

<18才の夏+新聞カフェ> 年齢引き下げ意味あるかも

2016年6月16日

◆選挙権への考え深める

新聞記事を読みながら「18歳選挙権」について話し合う学生たち=15日、浜松市中区の静岡文化芸術大で

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 来月十日投開票の参院選で、十八、十九歳も新たに選挙に参加できるようになる。大学生はどう思っているのか。静岡文化芸術大(浜松市中区)と中日新聞東海本社のコラボ企画「新聞カフェ」が十五日、大学食堂であり、十八歳選挙権をテーマに一〜三年生の延べ十二人の学生が記者とともに意見を交わした。「そもそも選挙権年齢の引き下げって意味あると思う?」

 ■カフェ開始前■

 はい(意味がある)五人  いいえ(意味はない)三人 どちらでもない一人

 十八歳の一年生二人はどちらも「二十歳のままでいい」と主張した。「お酒もたばこも二十歳だからそのときでいい」と大塚莉子さん(18)。深谷真桜(まお)さん(18)も「高校三年生は受験でそれどころじゃない」と冷めた口調だ。

 十八歳選挙権賛成派も「政治に興味を持つきっかけとしてはいいんじゃない」と消極的な理由。二年赤木萌花(もか)さん(19)は賛成しつつも「選挙に行けるという喜びがよく分からない」と明かす。「どちらともいえない」と答えた三年古橋達基さん(20)は「自分たちで選挙権を勝ち取ったわけではない。与えられたという印象が強いのでは」と分析した。

 ■一時間たって■

 開始から一時間で顔ぶれが三人入れ替わった。もう一度同じ質問をした。

 はい五人 いいえ四人

 ここで、県の「若者選挙パートナー」に任命されたばかりの古橋さんが「意味ある派」をリードし始める。例に挙げたのは、昨年の大阪都構想の住民投票。「若者は賛成していたのに、結局投票に行かなかった人が多かったからひっくり返された。やばいって思った瞬間だった」

 記者が投げかける。何も考えずにとりあえず投票するのと、考えた末に白票や棄権を選ぶのは、どちらがいいのだろうか。

 赤木さんは「難しいけど、若者の投票率が上がれば、政治家の人たちも若者のことを真剣に考えなければいけなくなる。そのためのアプローチにはなる」と期待する。一年志方優希さん(18)は「適当に入れる一票のせいで、本当に考えて入れている人の一票が薄まるような気もする」。

 ■議論を終えて■

 最後にもう一度聞いてみた。

 はい七人 いいえ二人

 「選挙権年齢を下げる意味はないと思っていたけど、それは自分が政治を知らないだけだった」と深谷さんは語る。志方さんも「十八歳が行くかどうかは置いておいて、政治を身近にする教育が大切だ」と提言する。

 赤木さんは「政治が若者を軽視し、若者が政治を軽視する悪循環を断ち切るにはもっと下げてもいいかも」。

 一貫して、二十歳のままでいいと答えた三年野々内万穂(まほ)さん(21)は「十八歳は進路を決める時期だし、国のことよりもまずは自分のことを考える方が先じゃないかな」とつぶやいた。

    ◇

 二時間あまりに及ぶ議論で、学生はくたくた。でも、これまで漠然と考えていた「十八歳選挙権」が、それぞれの頭の中で形になってきた。学生たちは参院選公示後、キャンパスを飛び出して街や候補者の事務所を訪ね歩き、選挙と自分たちとの関わりを探る。記者も同行し、学生の意識の変化を追い掛ける。

(石川由佳理)

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