静岡

<18才の夏>えっ、俺にも選挙権?

2016年6月8日

◆浜松市、出前授業で手ほどき

小杉さん(左)から選挙の仕組みなどについて学ぶ生徒ら=7日、浜松市中区で

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 選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられてから初めての参院選を控え、高校生や大学生を対象にした選挙に関する出前授業が各地で開かれている。浜松市内でも七日、大学や通信制の高校で市職員が選挙の仕組みや意義を説明した。政治への関心の高さは一人ずつ違うが、授業を通して少しずつ理解が深まっている。

 不登校や高校中退など、さまざまな背景を持つ生徒が通う、同市中区伝馬町のKTC中央高等学院浜松キャンパス。二、三年生約四十人を前に、市選挙管理委員会の小杉浩喜さん(46)が「投票日の翌日までに十八歳を迎えていれば投票できます」と語り始めた。

 「えっ、じゃあ俺も投票できるの」。髪を茶色に染めた三年北原勝馬さん(17)が声を上げた。誕生日は投票日の三日前の七月七日。「そうなんだ。俺にも選挙権があるんだ」と驚いた様子で考え込んだ。

 二年前の衆院選で六十代の投票率が68・3%だったのに対し、二十代は32・6%。大半の若者が自分の力では政治は変わらないと考えている。五十分間の授業で、小杉さんが若者と選挙を巡る現状を丁寧に説明していく。が、ショウセンキョク、ユウケンシャ…。普段の生活では縁遠い言葉に、いすに体を預けて眠ってしまう生徒も。資料の表紙に落書きをして、ペンを置く生徒もいた。

 それでも、北原さんのように選挙権を得たことを知ってもらったのも成果の一つ。小杉さんは「若者の投票率が上がれば、政治家も若者向けの政策もまじめに考えなきゃと動きだす。投票しないと何も変わらない」と力を込める。

 十八歳選挙権について「人ごとのように感じていた」という北原さん。用語が難しくて分からないところもあった。「どうやって選べばいいかもわからないけど、親と相談して、時間があれば行こうかな」と、はにかんだ。

 同市北区都田町の常葉大浜松キャンパスでは、学生グループが勉強会を企画。講師として招かれた北区役所区振興課の山本末男主幹(57)が公職選挙法の改正内容や投票の流れを解説した。選挙権年齢の引き下げの意義にも触れ「若い人が投票することで、政治家の目を若者に向けさせる。それが皆さんの未来を決めるための行動になる」と呼び掛けた。

 熱心に聴いていた経営学科二年の海野沙織さん(19)は「高齢者が優先される『シルバー民主主義』ではなく、若い人が結婚や出産を安心してできる社会にしたい」と語る。

 企画した経営学科二年の青島拓三さん(19)は「質の高い政治にするには、政治家任せではなく、自分たちも勉強して投票しないといけない。そのことを、多くの学生に訴えていきたい」と話した。

(石川由佳理、高橋貴仁)

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