候補者はこんな人

2015年1月17日

 知事選に立候補した現職の大村秀章さん(54)と新人の小松民子さん(64)。どちらに投票するにしても、政策だけでなく、人柄も知っておきたい。そこで、二人がどんな人物なのかを紹介する。

■大村秀章さん(54)=無現

◆いじめ経験、弱者の視線

 東大を出て官僚になり、衆院議員を五期、知事を一期。はた目には順風なエリート人生に映る。だが、本人は「そうじゃない」と首を横に振る。

大村秀章氏

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 二歳になる前、近所の犬に顔をかまれ、ひどいけがを負った。今も残る傷痕が元で、中学時代にいじめを受けた。「なぜ自分だけ人と違うのか…」。思春期の苦しみが、後の人格をかたちづくった。「負けちゃいけない。とことんまで頑張るしかない」

 父は大工で、母は農業を営む。政治に無縁な家庭に育ったが、県立西尾高時代から全国トップクラスの成績を収め、立身出世の道を歩んだ。

 知事となった今は、ほぼ休みなしで動き続ける。平日は分刻みのスケジュールで来客に会い、土日は小さな町の集いや祭りにも顔を出す。「そこまでしなくても」という声に構うそぶりはない。

 もう一つの特徴は、自身も認める「瞬間湯沸かし器」。激務をこなす中で、職員や秘書に声を荒らげるときもある。

 ただ、自らのけがやいじめの体験に基づく「弱者」の視線を持つ。議員時代、薬害C型肝炎の被害者を救う法律づくりに奔走。昨年、県内であった全国障害者技能競技大会では、障害のある人たちが一心に打ち込む姿を見て目頭を熱くした。

 家族は妻と四人の子ども。昨春、長女と長男がともに親元を巣立った。次女、三女の進学や進路の相談にも乗る。

(垣見洋樹)

 <事務所>名古屋市中区栄3の2の9。052(238)0830。ホームページはhttp://ohmura-hideaki.jp/

知事(元)衆院議員・厚生労働副大臣・内閣府副大臣・自民党県会長・農水省課長補佐▽東大▽安城市篠目町

 =民・維・公・生・次・減

■小松民子さん(64)=無新

◆医療の現場見つめ決意

 トレードマークは、「身体になじむ。六十歳を過ぎたら、いつも着よう」と決めていた和服姿。演説会や記者会見などでも表情は穏やか、物腰も柔らかいが、胸に秘めた決意は固い。「格差と貧困の広がりの中で、満足に医療を受けられずに命を落としていく人が増えている。政治の力で流れを変えたい」

小松民子氏

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 病院職員や医療従事者の労組で長年活動し、今も県社会保障推進協議会の事務局長として自治体の福祉行政の現状や問題点を聞き取り、国や県への要望活動を続ける。医師や看護師、患者などさまざまな目線で現場を見つめた経験が出馬へと背中を押した。

 原体験は、ダウン症の長男(39)を出産したこと。障害のある子を育てる覚悟がなかったが、わが子のために懸命に働く保育士らの姿に「子育てのエネルギーをもらった」と振り返る。

 長男が学校で学生服をチョークで白くされるいじめに遭うなど、差別や偏見の苦しみも知ったが、「助けてくれる人も多かった。子育ての経験は財産」と振り返る。

 それだけに、座右の銘は「一人はみんなのため、みんなは一人のため」。出馬は社会への恩返しでもある。

 「ストレスはあまり感じない性格。ボーッとテレビを見るのが解消法かな」と笑うが、選挙戦では分刻みの予定が続く。自ら着付けする和服の帯をぎゅっと締め、真冬の街頭に飛び出す日々だ。

 夫と子どもの四人で暮らす。

(杉藤貴浩)

 <事務所>名古屋市中区大須4の14の57。052(261)0294。ホームページはhttp://kakushin.jp/

県社会保障推進協議会事務局長(元)日本医労連書記次長・県医労連副執行委員長・眼科医院職員▽愛知大▽名古屋市港区港栄

 =共