東三河の有権者冷ややか「争点なし」「選択肢なし」

2015年1月17日

 2月1日に投開票される知事選は、現職の大村秀章さん(54)と、共産が推薦する無所属新人の小松民子さん(64)との一騎打ち。共産以外の政党がそろって大村さんを推薦したため、5人の候補が立った前回と比べ、有権者の選択肢は狭い。投票率の低下が懸念される。名古屋圏から離れた東三河では、目玉となる公約も少なく、いっそう影響が出るかもしれない。

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 「東三河を県政の大きな柱とし、地方創生のモデルにしたい」。大村さんは十六日昼、豊橋駅前で出発式を開いた。「東三河担当副知事」や「東三河県庁設置」など一期目の実績を強調し、農業・観光振興、道路整備、三河港の活性化など幅広く訴えた。

 聴衆の最前列に陣取るのは、自民・民主両党の衆院議員や地元県議、市議ら。前回知事選で大村さんと戦った薬師寺道代参院議員(無所属)の姿もあり、「オール与党」の相乗りぶりを象徴する。

 民主・浅井由崇県議は「県議団全員で、公約の達成度を調査した上での判断。安易な相乗りではない」と主張するが、「事実上の信任投票」(自民・鈴木孝昌県議)との声があるように、論戦は盛り上がらない。

 威勢が良いのは、小松さんを擁した共産党だけだ。「大村さんは、リニア開通による産業振興や国産ジェット開発などに力を入れているが、名古屋圏の話で、東三河には関係ない」(稲生俊郎東三地区委員長)。稲生さんは「大企業、大都市優遇の安倍路線をなぞっているだけ」と続ける。

 通りすがりに演説を聞いた自営業男性(47)は「知事選が告示されたことを今知った」と語り、しばらく立ち止まって聞いていたが、「主要な争点もなく、東三河の動きを並べただけ。つまらない」と口にした。

 前回は、告示前に候補者五人の公開討論会を開いた「東三河5JC広域問題研究会」も、「候補が少なく、討論会の意義は薄い」と判断し、今回は開催を見送った。

 東三河にとって、目玉となる公約が見当たらないのも一因。そもそも県政は昔から、東の三河より、西の尾張・名古屋に投資や政策が偏る「西高東低」といわれ続けてきた。知事選はどこか、遠い話だったのだ。

 しかし、前回は、衆院議員時代に三河を地盤とし、「東三河の振興」を真っ先に掲げた大村さんにつられるように、他の候補も、東三河に絞った独自政策を発表。「副知事の常駐」や「農業振興」「地域医療の再生」などが盛んに議論された。

 「西高東低」の潮流は変わったかに見えたが、今回は再び、東三河の影が薄い。

 豊橋市大岩町の会社経営男性(61)は「選択肢がなく、結果が見えている選挙で、投票に行く気は起きない。低投票率に各党が反省し、次回から独自候補を擁立してほしい」と話す。

 選挙期間中、大村さんは二十六日に豊橋市内で二カ所、蒲郡市内で一カ所の個人演説会に出席する。小松さんは、二十二日に東三河入りする。

(西田直晃、小原健太)