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夜通し作業、防疫措置完了 豚コレラ発生2施設

敷地内に消毒用の石灰がまかれた養豚場=宮田村で、本社ヘリ「まなづる」から

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 豚コレラの陽性反応が出た宮田村の養豚場と松本市の食肉処理場の防疫措置が八日午後五時半、終了した。県は感染確定から七十二時間の九日午前九時を目標としていたが、三交代の二十四時間体制で進め、大幅に短縮した。県は県内の他地域に感染が拡大する可能性は低いとみるが、警戒は続ける。

 宮田村の養豚場では午前八時四十五分ごろ、殺処分した豚が運び込まれた穴に土をかぶせる作業が本格化。前日までに掘り起こした大量の土を再び重機二台で穴の中に戻した。

 埋却と並行し、豚舎内外の消毒も進行。建物間の通路が狭い上、複雑な配置や構造のため車両や機械が立ち入れない場所が多く、手作業が大半を占めた。関係者は腰をかがめながら石灰をまき続け、敷地内は一面が白く覆われた。

 村の男性職員(38)は「強風に巻き上げられた石灰が目に入ったり、皮膚に付いたりしないように注意した。想像以上の力仕事だった」と話し「防疫には相当の労力が必要だと実感した。感染の連鎖を食い止めたい」と力を込めた。

 一連の作業には、県職員や宮田村職員、陸上自衛隊員ら三日間で延べ九百人が当たってきた。七日夕方までに千四百頭を埋め、夜通しの作業で八日午前までに残りの千百頭ほどを埋却。松本市の食肉処理場の消毒も終わり、十一日から再開する予定。

 八日午後四時半から県庁で開かれた県の対策本部会議で、阿部守一知事は「自衛隊や県、村など多くの皆さんに協力いただいた」と感謝した。県は、五日までの二十一日以内に宮田村の養豚場が出荷した松本、佐久市の食肉処理場を利用するなどした県内の養豚農家十七軒を三月上旬まで監視対象とした。豚に症状が見られないか確認し、一部の豚は検査。一週間ほど豚の移動自粛を求める。

 豚コレラのウイルスを媒介する可能性がある野生イノシシの監視体制も強化する。養豚場から半径十キロ以内で死んだり捕獲されたりしたイノシシを検査する。狩猟で追うことによって検査対象区域のイノシシが遠くへ移動しないよう、宮田村や伊那、駒ケ根市などでの狩猟自粛を地元猟友会に要請する。宮田村の養豚場から三キロ以内の二カ所に畜産関係車両の消毒ポイントを設けることも決めた。

 発生した養豚場に対しては、県は経営者の意向を確認した上で、国の交付金などを活用して再開に向けた支援をする方針。

 村は午後五時半すぎから七回目の対策本部会議を開催。小田切康彦村長が養豚場の事業再開に向けた支援や殺処分に携わった職員の心身ケアなどを指示し、本部の解散を宣言した。

 一連の作業には延べ九十人の村職員が従事。小田切村長は「時間との闘いだった」と振り返り「こんな思いを他の自治体にさせたくない。今後の危機管理の教訓にしたい」と述べた。

 (安永陽祐、長谷部正)

 

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