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伊那の公共交通、どうなる? 市議会などで議論

20分間隔で運転されている市街地循環バスの外回り便=伊那市の伊那バスターミナルで

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 伊那市社会福祉協議会は4日夜、買い物支援地域づくりネットワーク会議を同市防災コミュニティセンターで開き、高齢者や障害者の外出支援策を検討した。住民の足を支えるはずのバスの利便性への批判が相次ぎ、5日の市議会一般質問でも取り上げられた。白鳥孝市長は人工知能(AI)で配車する乗り合いタクシー導入で「活路が開ける」と答弁し、2021年の実現に向け意欲を示した。

 会議には市内全域から区長や民生委員、一般市民ら九十人が参加。全国移動サービスネットワークの河崎民子副理事長が、住民独自での運行など全国の先進事例を紹介し「住民が事業者や行政と協働して外出を支えるべきだ」と強調した。

 行政への批判の声が上がったのは、市の交通政策担当者を講師にした、公共交通について考える分科会。「バス停まで遠い」「本数が少なく、出掛けても帰って来られなくなる」「障害者は介助者なしでは乗れない」「誰も乗っていない。空気を運んでいる」など不便で利用されない実態を訴える意見が続出。「循環バスでなく買い物、病院など行き先ニーズを絞った路線を」「大型でなく小回りの利くバスで家の近くまで来て」などの要望もあった。

 市内には乗り合いタクシーを含む十七路線があり、利用者は年々減少傾向。毎年のように廃止が議論され、民間の伊那バスが路線バスとして運行する新山線は赤字で本年度で廃止が決定。二十分ごとに運行される市街地循環バス(外回り)の三十一便のうち、同社が受け持つ十四便も採算がとれないとして廃止を申し入れていたが、市民への影響を考え、市による運行に移行して維持することになった。

 一般質問では白鳥敏明議員が、複数の乗車希望を瞬時に自動計算して効率的に配車するAIによる乗り合いタクシー構想に理解を示しつつも、各地でバスを守る会を住民が組織し、それぞれ実情が異なるため「地域に権限移譲を」と提案。

 白鳥市長は「バス停が遠い、急坂がある、というのが利用者が伸びない理由。冬は凍結もする」と、AIによるタクシー配車の効率化に力を入れる方針をあらためて示した上で「市民からは『ドア・ツー・ドア』の要望が多いが、ドライバーの確保が困難。AIはデータが多いほど知能が高まり、効率が良くなる。伊那では非常に効果があると考えており、三年後の実現へ、市内全体で取り組む」と理解を求めた。

 (阿部雅之)

 

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