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「二・四事件」の日記読み解く講演会 矢沢さん、飯田で1日

故伊藤校長が残した日記をもとに1日に講演会を開く矢沢さん=伊那市荒井で

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 県内の教職員らが治安維持法違反で大量摘発された一九三三(昭和八)年の「二・四事件」で、今年二月に見つかった当時の様子を記した日記を読み解いてきた上伊那教育会の矢沢静二理事(66)の講演会が一日、飯田市歴史研究所研修室(同市鼎下山)で開かれる。

 「二・四事件」は、同年二月四日に始まった社会運動弾圧。県内の教員二百八人を含む共産党、農民組合関係者ら六百八人が摘発された。教育県として知られた長野県で起きたことから、新聞などで「教員赤化事件」と報じられ注目された。上伊那地域は諏訪地域に次いで、多くの教師たちが検挙された事件の中心地として知られる。

 日記は、五人の教師が検挙された伊那尋常小学校(現・伊那市伊那小)の故伊藤泰輔校長によって三一〜五八年に記され、その数は四十四冊に及ぶ。矢沢さんは、今年二月に遺族から日記を譲り受け、研究を進めてきた。

 今回、主に取り上げるのは、三一〜四一年の期間。三三年二月四日の事件当日には、《(同校の)小松俊蔵君、検挙されたり》との記述がある。翌年に起訴された教員三十一人の裁判が開かれ、十三人に実刑判決が下ったが、事件は尾を引いてゆく。汚名返上のために義勇軍の送出を求める県、上伊那教育会で起こる内紛、自らの辞任。日記には《疲労甚だし》という言葉が何度も登場し、伊藤校長の苦悩がうかがえる。

 講演では、国策に反対しながら上伊那教育会長として苦しむ伊藤校長の姿、検挙された若い教師たちのその後の人生を追っていく。

 矢沢さんは「二・四事件は、若く、志のある教師たちが逮捕された悲劇。彼らの当時の思いや伊藤の苦悩をくみ取り、多くの人に知ってほしい」と話す。講演会は午前十時から。参加無料。(問)飯田市歴史研究所=0265(53)4670

 (板倉陽佑)

 

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