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松本城の外堀復元を断念 土壌汚染確認で

南・西外堀の平面整備イメージ図=松本城管理事務所提供

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 国宝松本城(松本市丸の内)で進められている南・西外堀復元事業で、用地の一部で土壌汚染が確認されたことを受けて市は十日、従来の堀の復元計画を見直し、平面整備とする方針を明らかにした。同日の市議会議員協議会で提示し、了承された。二〇二四年度末の完成予定に変更はないという。

 市は一七年度、事業用地の土壌汚染調査を実施。その結果、一部から基準値を上回る自然由来の「鉛及びその化合物」が検出された。

 市によると、土壌汚染が確認された範囲は用地全体(約一万一千平方メートル)の34%に当たる約三千八百平方メートル。周辺にある飲用井戸の水質検査では、基準値を下回った。

 同事業ではこれまで、現在残っている外堀に加え、今は家屋などが立っている城の南側と西側に、幕末・維新期にあった姿と近い形で外堀を復元することを目指してきた。市は一三年度から用地取得を進め、一七年度末時点で取得率は約48%。

 市によると、汚染土壌の処理費用として四億円以上が見込まれるが、土壌汚染対策法に基づくと、処理費用は売り主側に請求することが前提。このため、市は土地の権利者にかかる金銭的な負担責任などを考慮し、汚染土壌の処理を必要としない平面整備に切り替えることにした。

 例としては、芝生を敷くなどして、かつての南・西外堀の範囲が分かるような形での整備を行う。堀の復元はしないが、「史跡の保全」や「景観の整備」などを目的に、引き続き用地取得を進める考えだ。

 同事業をめぐっては、長年にわたって外堀復元の構想があった中、市制施行百周年に当たる〇七年度に事業着手している。菅谷昭市長は「堀復元という当初の目的を断念せざるを得ないことは誠にじくじたる思い。とりわけ、住み慣れた場所を離れることに理解と協力をしていただいた方には重ねて、心からおわびを申し上げる」と謝罪。

 その上で「松本市が史跡地を保有し、平面整備により価値ある史跡松本城を保存していくことを新たな目標とすることを理解してもらい、用地取得を含めた事業の継続に取り組んでいきたい」と述べた。

 市は事業の方針見直しが了承されたことを受けて、今後地元の権利関係者らに個別の説明を行っていく。

 (水田百合子)

 

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