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ウシガエル捕獲作戦が大きな成果 人工池で繁殖

オタマジャクシ捕獲をする講座参加者たち=飯田市で、2015年5月(かわらんべ提供)

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 人工池に繁殖した特定外来生物ウシガエルの駆除に向け、飯田市川路の天竜川総合学習館かわらんべが取り組んだ捕獲作戦が大きな成果を上げている。同館は広報誌十一月号に「池にすみついた特定外来生物ウシガエルを撃退か?」の特集記事を掲載し、駆除の経過を紹介している。

 二〇〇二年開設の同館には、多自然型ビオトープ「水辺の楽校いいだ」があり、約四百平方メートルの人工池は当初、たくさんのトンボや水生昆虫が生息する学習の場になっていた。

 だが、数年にして池はウシガエルの繁殖地となってしまった。一〇年に着任した広報担当の職員久保田憲昭さん(50)らは、本来のビオトープの姿を取り戻そうと特定外来生物の駆除に乗り出した。

 館の学習講座の一環として、来館する親子連れらに駆除作業への参加を呼び掛け、毎年六月ごろにオタマジャクシの捕獲を実施。初回の一〇年には、大人の親指ほどもある二千八百十二匹を駆除した。

 捕獲の成果は翌年から百五十匹、千四十九匹、ゼロ匹、五百八匹と推移。いったんゼロになりながら再び五百を超えた結果から、久保田さんは「卵を産む親ガエルの捕獲も必要」と考え、一四年から網を仕掛けて成体捕獲も始めた。

水辺の楽校で捕獲されたウシガエル(かわらんべ提供)

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 その結果、捕獲数は四十六、十、三匹と年を追って少なくなり、オタマジャクシも一五年の二匹を最後に、ここ二年は一匹も確認されなかった。

 繁殖力が強く、ヤゴなどの水生生物を食べ尽くしてしまうオタマジャクシが駆除されたことで、水辺の楽校の池にはここ一、二年、珍しいゲンゴロウやトンボが見られるようになったという。

 久保田さんは「講座に参加した多くの子どもたちとの協働で、繁殖したウシガエルの集団を根絶できたとすれば、本当にうれしい」と話している。

 (須田唯仁)

 <ウシガエル> カエル目アカガエル科。原産地は北米。食用として養殖された個体が逃げ出し、世界中に定着している。大型かつ貪欲で、環境の変化にも強く、在来生物を駆逐してしまう懸念から、日本では2006年に特定外来生物に指定された。生きている個体を許可なく運搬または飼育することができない。

 

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