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リニア県内着工1年、課題は

南アルプストンネルの長野工区を掘り進めるため、掘削が始まった作業用トンネル坑口=7月3日、大鹿村で

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 リニア中央新幹線の県内着工から一日で一年を迎えた。県駅ができる飯田市では街づくりの構想が進む一方、県全体のトンネル掘削で見込まれる一千万立方メートル近くの膨大な発生土の処分地は確定しておらず、工期に不透明感も漂う。主な関係市町村での関連工事の現状、直面する課題をまとめた。

 ■飯田市

 六月、リニア駅と周辺区域の六・五ヘクタールで進める駅周辺整備の基本計画を決定した。計画区域内を「広域交通拠点」と位置付け、基本設計を協議中。計画に盛った駐車場や公共交通の乗り換え拠点になる広場のほか、魅力発信施設などの詳細を詰める。二〇二一年度着工を見据え、一八年度内に策定する。JR飯田線の接続駅をはじめ、大型会議施設を設ける構想もある。

 一方、計画では区域内で大規模な商業施設の開発を行わない方針。これに対し計画を練ってきた委員の中からも「駐車場だけで駅周辺に何もない」と批判的な声も上がり、区域内に人を引き寄せる施設の新設を求める意見がある。地元まちづくり委は移転対象者への住民目線の対応を課題として挙げる。

 ■大鹿村・松川町・中川村

 大鹿村は南アルプストンネル長野工区(八・四キロ)の三カ所の作業用トンネルのうち二カ所の掘削が進む。村内からはナゴヤドーム約二個分にあたる約三百万立方メートルの残土が発生する見込み。大半を村内に仮置き後、同村から中川村を通って松川町へ抜ける県道松川大鹿線改良工事の一八年度完了を待って最終処分先へ運ぶ予定だが、処分先の大半は未定のままで調整が進まない。

 県道松川大鹿線では拡幅工事や本線の南アトンネル工事の大型工事用車両が多く通行している。JR東海によると十月の一日当たり最多通行数は往復五百台。中でも中川村の西下トンネルは細いため、「トンネル内で続けてダンプとすれ違う時に不安を感じる」などの住民の苦情がある。

 ■豊丘村

 豊丘村−大鹿村に建設する伊那山地トンネル(一五・三キロ)のうち、豊丘村の坂島工区(五・一キロ)着工に向けた道路改良工事が六月に始まった。

南東方面からリニア駅を望んだイメージ図

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 一方で、同工区から出る残土を埋め立てる村内唯一の計画地をめぐり、五月に土地利用に同意した地権者の「本山生産森林組合」が適正な手続きをしないで理事を選任したとして県の指導で同意を撤回。組合は再編が求められるほか、計画地は保安林のため組合の同意がないと保安林指定の解除申請ができず、トンネル掘削時期が不透明になっている。

 (伊勢村優樹)

 

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