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伊賀組紐の発祥地に眠る作業台 「高台」復活へ移住者らプロジェクト

 【土平研編集委員のコメント】各地に長く伝わる伝統工芸品は、その地で勤務する記者にとって重要な取材対象です。私の経験では、手作業で細々と作られているものが多かったですが、完成品の美しさに感動することがしばしばありました。「忍者」で有名な三重県伊賀市の「伊賀組紐」もそんな伝統工芸品の一つ。大ヒット映画「君の名は。」に登場したことで、若い人にも知られるようになりました。今日取り上げたのは、伊賀組紐発祥の地に保管されていた作業台「高台」を修復しようと、伊賀市に移住した人たちがプロジェクトを立ち上げた話題です。伊賀市、名張市を対象とした「伊賀版」の記事。移住者の一人は伝統工芸士を目指し、手組の職人に弟子入りするほど熱が入っています。

修復を目指す組紐の高台。山村さん(左)宅の納屋に保管されていた=伊賀市上林で

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 伊賀組紐(くみひも)の発祥地・伊賀市上林の民家に眠る作業台「高台」を修復しようと、移住者らがプロジェクトを立ち上げた。メンバーの一人、建築士の武保(たけほ)学さん(37)は「かつて生産が盛んだった地区。若い世代にも伝統文化を継承したい」と、一緒に活動するメンバーを募集している。五月には修復した高台を使ってワークショップを開く予定。

 修復するのは、武保さんの妻・牧子さん(37)の祖母で、上林に暮らす山村きよゑさん(92)方にあった高台。縦、横、高さがいずれも一メートルあり、納屋で保管していた。

 同地区は東京で修業を積んだ広沢徳三郎が一九〇二(明治三十五)年に、組紐工場を設立した「伊賀組紐創業の地」。農閑期の内職などとして組紐作りが盛んになり、山村さんも三十年ほど前に高台を譲り受け作っていたという。

 名古屋市出身の武保さんは「建築士である以上、自分の家を設計してみたい」と、長男・晴大(はるた)君(3つ)の子育て環境を求めて、牧子さんの出身地である伊賀市への移住を決意。昨年十月、山村さんを「ほどよい距離感で見守っていきたい」と、道を挟んで向かいに木造二階建ての新居を設計し、完成させた。

プロジェクトに参加する高橋さん夫妻=伊賀市西明寺で

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 移住者交流会を通じて知り合った高橋健作さん(33)、由加里さん(30)夫妻が新居を訪れた際「発祥の地で使われずに眠っている高台を救出したい」と意気投合。健作さんは組紐を作る機械のメンテナンス業に就き、由加里さんも伝統工芸士を目指して手組みの職人に弟子入りしているという。

 プロジェクトは、暖かくなるのを待って始動する。高台を納屋から出すため一度解体し、パーツごとに洗浄、補修。五月には伝統工芸士や組紐を作っていた地区の住民に協力してもらい、ワークショップを開く予定。(問)武保さん=080(7018)1471

 (飯盛結衣)

 

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