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冨士乃屋、来年2月に閉店 鳥羽の名物ホルモンそば

鉄板でホルモンそばを焼く岩本和代さん(右)と治男さん=鳥羽市鳥羽4で

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 ホルモンの焼きそば「ホルモンそば」を看板メニューに、六十年以上にわたり親しまれてきた鳥羽市鳥羽四の名店「冨士乃屋(ふじのや)」が来年二月に閉店する。店長夫婦の高齢化が理由。常連客からは「この味が食べられなくなるなんて」と惜しむ声も聞かれる。

 冨士乃屋のメニューは牛のホルモンやレバー、豚のコブクロなど品数は少なく、いずれも一人前六百円前後。中でも人気を集めるのがホルモンそば。みそベースの秘伝のたれに漬けたホルモンとキャベツ、そばをソースで炒めるシンプルな焼きそばで、甘辛い味付けが特徴だ。

 一九五四(昭和二十九)年に創業し六年後、現在地に移転した。初代の父を二十一歳のころから手伝ってきた二代目店長の岩本治男さん(69)、妻和代さん(70)の二人で切り盛りしている。店内は鉄板の載ったテーブルが三つ並び、最大で二十五人ほどが食事できる。

 以前は近くに工場や魚介類の市場があり、フグのはえ縄漁のついでに寄る愛知・佐久島の常連もいた。肉体労働者向けに味が濃かったといい、和代さんは「味付けは少し薄くなったかな」と笑う。最近は地元の高齢者が中心だが、ネットなどで情報を集めた観光客の姿も増えたという。

 子ども三人は鳥羽を離れ、後継者もいない。治男さんは「体が動くうちに閉めた方がいいと二年前から考えてきた。七十歳になる三月を前に区切りを付けたかった」と話す。秘伝の味の伝授を求める声も寄せられているが「店と一緒に、この味もおしまい」とさばさばと話した。

 昔からの常連で、いまも週一回は通うという女性(78)は「本音で言えば続けてほしい。鳥羽の味が失われるのは残念」と惜しんだ。

 閉店は来年二月二十日ごろを予定する。営業時間は午前十一時〜午後二時、午後五〜九時。月曜定休。(問)冨士乃屋=0599(25)2573

 (西山和宏)

 

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