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定数削減案、1票差否決 県議会、批判や疑問の声も

起立による定数削減への採決。1票差と賛否はきっ抗した=県議会で

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 県議会が一度決めた定数五一から四五への六減を取りやめたことを受け、再び定数削減を求めた条例案が十四日、本会議で一票差で否決された。ようやく定数五一のまま選挙をすることが決まったが、次回県議選まで約七カ月と迫った時期。定数を政争の具にしたと言われても仕方がない審議のあり方に疑問も残った。

 削減への賛成は二十三票、反対二十四票。県議会は一票の格差是正のため、二〇一四年に定数を六減する条例を可決した。六減が実現すれば、一票の格差は二・九から一・六倍に大幅に改善するはずだった。

 だが人口減少地域の県南部だけで一気に県議が六人減ることに、自民党の南部選出議員らが反発。自民が強い県南部に一人区が増えるため自民に有利との見方が強く、旧民進党系の新政みえも定数減に反対した。反対派は三月に削減を取りやめる条例案を提出し、一票差で五一に戻すこと(定数増)が決まったが、県民から県議会に疑問の声が多く寄せられていた。

 この流れを受けて自民党県議団などが六月に再び六減の条例案を提出。この日は採決前の賛成討論で公明党の山内道明議員は定数増の議員六人分で四年間で五億円程度の議員報酬などがかかることを指摘し「県民の声に寄り添っていない」と批判した。

 一方の新政みえは一四年には全議員が定数削減に賛成したが、一五年の改選後の議会では定数を戻す動きを続け、この日も一人を除く十六議員が反対した。一四年の可決で定数削減対象になるはずだった選挙区の津村衛議員は反対討論で「保身のためだろうと厳しい声をいただいている。一四年に四五を決めた時に深く先のことを考えていなかった」などと釈明を繰り返した。

 (森耕一、鈴鹿雄大)

◆次回選挙、政争の具に

 <解説> 否決は淡々と決まった。議場には驚きの声も表情もない。三月に定数四五から五一に戻した際と、県議の顔触れは変わっていないのだから当然の結末だった。

 一度減らした定数を元に戻したことは、どう説明されても理解し難い。「議決責任の軽視」「余分な議員報酬がかかる」「一票の格差拡大を放置した」。今回の討論での削減派(賛成派)の訴えはもっともだ。だが、主張に目新しさはなく、同じ議論を繰り返した。

 三月の定数増は来春の選挙まで残り約一年で、時間的にぎりぎりのはずだった。定数が何人か分からない選挙区では、新人が県議選に挑戦するのにリスクが大き過ぎる。まして選挙まで七カ月となった今、議員数を変えようとすることは、現職議員が新たな政治への参入を阻んでいることになる。

 定数減の取りやめは、一部の会派や議員の保身に映った。だがその後、採決結果が変わる見込みの低い定数をこの時期に議論の場に引き戻した動きも、来春の県議選に向け定数五一派をことさらに攻撃するためのパフォーマンス色が強い。定数が軽々しく政争の具にされた。

 今の議会構成ではもはや定数五一が結論だ。五一に投じた議員も、四五を求めた議員も、求められるのは丁寧に自らの主張を県民に説明すること。その声を聞いた県民が来春の県議選で選ぶ議員たちが、改めて定数を議論するべきだ。

 (森耕一)

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